DMZフォーラム開催…「韓半島境界管理委員会」設置など政策提案相次ぐ

投稿日d 2019-09-23 ヒット数 230

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○19日DMZフォーラム、DMZの歴史・生態・地域開発・観光・平和・和解の6つのセッションを開く
○座長1人、発題2~3人、討論3人など総勢60人あまりの韓国内外の著名人と碩学が参席
○20日、副知事主宰のラウンドテーブルでフォーラムの成果及び政策提案を議論

京畿研究院(院長・李漢柱(イ・ハンジュ))は19日~20日、高陽市キンテックス(KINTEX)で開催された分断を越え平和と協力の時代を開くための「2019DMZフォーラム」で、6個のテーマと11個の企画セッションを開いた。

開会式、基調演説に次ぐ企画セッションは、京畿研究院が企画・運営し、DMZの多様な価値と政策アジェンダを反映したものとして、平和プラットホーム、生態系持続可能性、共生する境界地域開発、アドベンチャー観光、女性平和運動、記憶と和解を通じた平和の6つをテーマに構成された。

各セッションは、座長1人、発題2~3人、討論3人内外の6~8人程度の韓国内外の著名人及び碩学で構成され、総勢60人あまりがパネルとして参加し、討論と発題を行った。

企画セッションでは、スコット・スナイダー(アメリカ外交協会専任研究院)、アレクサンダー・アートウド(北アイルランド前社会環境部長官)、ナイル・ムオス(BIRDS KOREA代表)、ロバート・ビベル(EU地域委員会主席副会長)、ハイエン・ソン(香港ポリテク大学教授)、グロリア・スタイネム女史、キムラ・カン(神戸大学教授)など、海外の著名学者と人士が発題及び討論を行った。

国内では、誠信女子大学のヤン・ボギョン(楊普景)学長、ソウル大学のジョン・グンソク(鄭根植)教授、国立生態院のクォン・ヒョクス専任研究委員、イクレイ韓国事務所のパク・ヨンヒ所長、慶南大学のイム・ウルチュル(林乙出)教授、韓国海洋水産開発院のナム・ジョンホ研究委員、韓国生態文化研究所のシン・ジャンソプ所長、韓国文化観光研究院観光産業研究室のチョン・ヒョジェ室長、女性平和運動ネットワークのチョ・ヨンミ執行委員長、北東アジア歴史財団のキム・ドヒョン(金度亨)理事長、ソウル大学のナム・ギジョン(南基正)教授、関西外国語大学のチャン・ブスン教授など、各分野の専門家らが参加した。

テーマ1「平和プラットホーム」セッションで、アメリカ外交協会のスコット・スナイダー専任研究委員は、DMZの平和地帯化のためには「現在の膠着した局面を打開するためにはDMZなど境界地域の管理責任の民間移譲など、より前向きな措置が必要である」と主張した。

統一研究院のチョ・ハンボム(趙漢凡)専任研究委員は、「境界地域管理庁を設置し、DMZと境界地域の天文学的ブランド価値を体系的に管理するとともに、ドイツの『境界委員会(Deutsch-Deutsche Grenzkommission)』を参照し、山林、水資源、伝染病など懸案解決に向けての協力体制を構築し、統一時代に備えた南北共同「韓半島境界地域管理委員会」を構成する必要がある」と提案した。

テーマ2「持続可能な生態系」セッションで鳥と生命の場(BIRDS KOREA)のナイル・ムオス代表は、韓国側から一方的に提案する開発事業による生態的影響に強く懸念し、これらを解決するためにDMZ地域に生態的に重要な土地を買い入れ、持続可能な農業を支援し、生態サービスを北朝鮮と共有するという共同プロジェクトを提案した。

テーマ3「共生する境界地域開発」セッションでパク・セヨン元延邊科学技術大学教授は、「南北境界都市開発の概念は、新しい時代の始まりとして、韓半島を含む北東アジア周辺の国も共に参加し、北東アジアの未来を込めた南北共有都市となるべきである」と主張し、さらに「DMZの生態界を保全しながらも活用できるよう、移動可能で動く都市の概念を導入する必要がある」と述べた。

慶南大学のイム・ウルチュル(林乙出)教授は、「政府が推進している韓半島新経済構想の核心政策である境界地域平和ベルトの造成は、地域に居住している韓半島の住民が利益を共有できる方向で推進されなければならず、南北交流協力を促進する平和地区と南北交流協力空間の設置が必要である」と強調した。

イム教授はまた、「交流初期には推進が容易な観光から始め、漸進的に教育、医療、金融など高付加価値なサービス産業の拠点として開発していくこと」を提案した。

テーマ4の「DMZアドベンチャー、観光」セッションで仁荷工業専門大学のキム・ジェホ教授は、「DMZと南北観光の活性化のためには『開発のない開発』という原則の下、DMZ観光開発モデルとして、エコミュージアムの考え方を適用すること」を提案した。

キム教授はさらに、「臨津閣などの主要拠点を造成し、これを多数の京畿道DMZ観光支援と連携させ、最終的には『京畿道DMZエコミュージアム』の考え方を仁川広域市や江原道まで拡大し、韓国のDMZ観光の開放モデルとして構築しなければならない」と述べた。

テーマ5「韓半島の平和と国際協力-境界を越えた女性達:DMZと平和運動」をテーマにしたセッションで、「平和を作る女性会」のキム・ジョンス常任代表と「京畿女性団体連合」のイ・ジョンス代表は、DMZと韓半島の平和における女性の役割を強調し、「戦争と平和、安保と男性という強力な男性連帯の枠に亀裂を入れ、女性が『平和』において堂々たる主体にならねばならない」と力説した。

テーマ6「記憶と和解を通した平和」セッションで慶熙大学のキム・ミンチョル教授は、「歴史問題に南北が共同で対応するため、DMZに『(仮称)共同記憶センター』を設置し、植民地時代の強制動員問題をはじめとした被害実態に関する共同調査などを推進していこう」と提案した。

6個のテーマ、11個の企画セッションで議論された内容は20日午後、平和副知事の主宰で各テーマの代表が参加するラウンドテーブルで共有され、討論を経て今後の京畿道のDMZ及び平和政策の主要課題として設定し、中央政府と緊密に協議して実行する予定だ。