言葉も国家も不問の「安山多文化小さな図書館」

投稿日d 2017-04-21 ヒット数 206

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言葉も国家も不問の「安山多文化小さな図書館」


 

安山多文化小さな図書館

2015年における統計庁の発表によると、全国の多文化世帯数は約29万9,000世帯にのぼり、このうち約8万4,000世帯(約28.1%)が京畿道に居住している。特に「多文化一番地」と呼ばれる安山市には、道内の市・郡の中でもっとも多い約1万世帯の多文化世帯が居住している。安山市は、2008年に多文化家庭のための支援センターを設立し、センター1階に「安山多文化小さな図書館」を設けた。

 

■ 外国語原書を約1万4千冊所蔵

安山多文化小さな図書館

安山多文化小さな図書館に足を踏み入れると、外国語で書かれた原書が図書館中に並べられていることが分かる。中国語をはじめ、英語、日本語、マレーシア語、インドネシア語など計23か国、約1万4,000冊の本がみっしりと積み上げられている。チョン・ウンジュ副館長の説明によると、朝の9時から夕方6時までが開館時間である安山多文化小さな図書館の1日平均利用客は約90名ほどである。このうち90%以上は多文化家庭の構成員及び外国人居住者であり、3分の2以上が男性利用客である。23坪ほどの小さな図書館ではあるが、常連の利用客をはじめ、毎日のように新しい利用客が増加している傾向にある。

 

安山多文化小さな図書館

チョン副館長は、利用客の対応に毎日とても忙しいが、忙しければ忙しいほど達成感も増していくと語った。
図書館職員と利用客の愛顧により、安山多文化小さな図書館は昨年開催された「2016年全国小さな図書館大会」にて公立小さな図書館分野の優秀図書館を受賞するという成果を達成した。

 

■ 本を通じてひとつになる図書館

安山多文化小さな図書館

安山多文化小さな図書館はこれからどのように成長していくだろうか? 今後の図書館の発展方向について尋ねると、チョン副館長は「分け隔てのない図書館」と答えた。「多文化図書館という名称からまず変えたいです。この名称自体が、移住者とそうでない人たちを分け隔てているような印象を与えていると思います。どの国から来た人かなどとは意識せずにただの隣人、同じ地域の住民と考えてともに生活していければと思います。住民間の交流活性化のため、図書館でもこれから新しいイベントを企画していく予定です」4月以降から始まる小さな変化を皮切りに、今後より大きな変化を遂げていくであろう安山多文化小さな図書館の未来に期待してみよう。

出典:京畿Gニュース