安山の優しいリスタクシー 無料運行続く

投稿日d 2014-05-26 ヒット数 382

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犠牲者の遺族のみならず、韓国全土に大きな苦しみを残したセウォル号沈没事故。今この瞬間にも苦痛の時間は続いていますが、この傷を癒してくれる人たちがいます。それはボランティアたちです。事故が起きた珍島で、檀園高校がある安山市で、全国に設置された焼香所で、私たちはセウォル号沈没事故で疲れた心身を慰めてくれるボランティアたちを見かけることができます。

本来、リスタクシーは特定の区間を繰り返して運行するタクシーを呼ぶ言葉です。リスが同じ車でぐるぐる回るように、同じ区間を行ったり来たりするタクシーを皮肉る言葉として使われていました。ところが、このリスタクシーに最近、「優しい」という単語が付くようになりました。安山個人タクシー組合所属の約800人のタクシードライバーが、セウォル号沈没事故以降、安山市と珍島体育館、彭木港、焼香所に向かう犠牲者の家族らを無料で乗せるボランティア活動をしているからです。

2014-04-190호_안산개인택시.jpg イメージです。

17日、セウォル号沈没事故から2日目。安山個人タクシーのペク・ヨンホ組合長は緊急会議を招集しました。安山個人タクシーの組合員約2千人を代表する代議員20人が集まり、悲しみに陥った安山のために組合として何ができるか、悩みました。「何ができるか悩んだ末、私たちはタクシー運転をしているからタダでタクシーに乗せてあげよう、ということで話が進みました」

初日は代議員20人が無料運行をし、翌日から申し込みを受け付け始めたといいます。自ら進んで集まったボランティア運行ドライバーは約800人。そうして、犠牲者の家族と弔問客を無料で乗せる優しいリスタクシーが誕生したのです。

セウォル号沈没事故の犠牲者の家族を彭木港まで、弔問客を合同焼香所まで乗せている優しいリスタクシーのドライバーたちは、非常に重い気持ちで臨んでいると語ります。「無料運行をするドライバーたちには、くれぐれも気をつけるように念を押しています」。あちこちに犠牲者が散在するなかで、これ以上心を傷つけないよう、言葉遣いや行動が慎重になるそうです。

安山の優しいリスタクシーの無料運行が知られるようになり、多くの人から安山個人タクシー組合に電話がかかってくるといいます。遠くのアメリカからも電話がかかってきて、とても良い活動をしてくれているからガソリン代として使ってくださいと、口座を教えてほしいという方もいたそうです。こうしたありがたい方々には申し訳ありませんが、その気持だけ受け取って、それ以外の援助は一切受け取っていないといいます。

4月29日から合同焼香所がファラン遊園地に変更され、安山の優しいリスタクシーも無料運行をファラン遊園地の第2駐車場に移して、ボランティア活動を続けているそうです。週末や休日にも休みません。ファラン遊園地の合同焼香所から安山市の管内外葬式場、火葬場、葬地だけでなく、安山と珍島、彭木港、木浦を行き来しながら、犠牲者の家族と弔問客のための無料運行をしています。

タクシー業が生業なのに、仕事の合間を塗って無料運行を続けるこうした方々の行動が、セウォル号沈没事故で大きな苦しみを抱えている方々の心に少しでも癒やしになることを願います。「全てが整理されるまで、無料運行を続けるつもりです。いま約800人が交代で無料運行をしているし、申し込みも相次いでいるので、これからも継続できます」と話すペク組合長。隣人の心の傷をともに悲しむこのような方々がいるから、私たちはまだ希望を持つことができるのではないでしょうか。

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