安山世界テコンドーアカデミー、「デコンドーを習いながら、お互いを理解し合います」

投稿日d 2013-05-13 ヒット数 400

コンテンツ

安山世界テコンドーアカデミー、「デコンドーを習いながら、お互いを理解し合います」
(2013.04.11)

 
オウリム京畿安山市外国人住民センターにある世界テコンドーアカデミーには、インドネシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国といった様々な国籍の人が集まる。似合わなさそうな人たちが、テコンドーを習いながら一つになっていく。彼らはテコンドーを利用した様々な活動を繰り広げ、安山と京畿道、韓国の名を広めている。

「イチ!ニ!サン!」力強い掛け声と共に、節度のある動作を見せるテコンドー。私たちにとってテコンドーはかなり身近なスポーツである。誰でも子供の頃地元のテコンドー道場で、一生懸命プンセ(型)を習った覚えがあるだろう。特に、2000年の夏季五輪の正式種目として選ばれたことで、世界的な地位を高めている。
 
1.jpg イメージです。
◇ 韓国にいる外国人の喜怒哀楽を扱い、分かち合える文化の場として活用している ⓒ キム・ヒョンドン記者
 
安山世界テコンドーアカデミーは、礼と道を重視するテコンドーの精神を引き継いでいる。韓国にいる外国人の喜怒哀楽を扱い、分かち合える文化の場として活用している。さらに、自国の住民にもテコンドーを通じて、安山と京畿道、ひいては韓国の名を広める役割をしている。安山世界テコンドーアカデミーの生徒たちは、自分たちの練習過程をフェイスブックやツイッタ─などのソーシャルネットワークにアップロードし、韓国に来たことがない人たちにも急速に情報を発信している。
安山世界テコンドーアカデミーは、2007年度にはじめて生徒を募集して以来、26ヶ国で860人余りが参加するくらい人気を得ている。そのうち200人余りは有段者であり、優れた実力の持ち主である。
 
「韓国に来たばかりの頃は、家族と離れなければならない状況と、慣れない文化で馴染みにくかったです。会社でも同じ国の人たちと付き合うばかりで、他の人に接するチャンスも少なかったですし。ところが、テコンドーを習いながらそのような問題が全て解決しました。「テコンドー」という共通の関心事で、すぐ付き合えるようになったわけです。一言でテコンドーとは、韓国生活での活力の源だと言えます」
韓国に来て5年くらいになるというフィリピン国籍のイスマエルさんは、安山産業団地にある繊維会社で勤めている。彼は、会社が終わるとすぐ世界テコンドーアカデミーがある安山市外国人住民センターに足を運ぶ。彼は、5年以上の期間を韓国で適応して生活できたのは、全てテコンドーのおかげだという。
 
カザフスタンから来たエルミラさんは、結婚移民者で、現在は多文化講師として活動している。彼女はすでに公認2段を取得したくらい、テコンドーにはまっている。エルミラさんもやはり、文化の違いからくる疎外感や寂しさを、テコンドーを通じて解消した。他の種目の運動とは違い、テコンドーは乱取り稽古を通じて色んな友だちと訓練することができて大きく役に立ったという。生徒たちは、講義やドリルチームの練習がある日は、早めに集まってあらかじめストレッチング教室などを開いたりもする。
安山世界テコンドーアカデミーは小規模で始めたものの、外国人労働者の中で口コミが広がり、その数も急速に増えた。草芝社会福祉館から、2008年3月安山市元谷洞にある外国人住民センター3階に修練場を移し、さらに多くの人が参加するようになった。
 
地域社会に前向きな効果を与える

安山世界テコンドーアカデミーのテコンドー授業は、地域のテコンドー師範4~5人が力を合わせて行っている。彼らは安山一帯でテコンドー道場を運営している館長として、外国人にテコンドーを知らせるという信念とボランティア精神を備えている。
ここはテコンドーの技だけでなく、韓国の文化や礼儀作法の発信にも注力している。さらに、外国人だけど韓国のために働き、ボランティアするきっかけを探すために努力している。昨年から行っている安山市元谷洞多文化特区での掃除ボランティア活動もこうした努力の一環である。掃除ボランティア活動は、外国人に対して否定的な見方をしていた地域の住民たちにも良い印象を与えられるきっかけとなった。
「昇格審査がある日やドリルチームの練習がある日は、テコンドーユニフォームを着て、一緒に町を掃除します。地域住民は、掃除する人たちの姿を見て、世界テコンドーアカデミー団員の礼儀正しい姿に感心するくらいです。テコンドーを通じて、外国人に韓国の伝統的な礼儀を教えながら、我慢強さとプライドを育てると言えます」
 
1-2.jpg イメージです。
◇ 安山世界テコンドーアカデミーは、小規模でスタートしたが、外国人労働者の間で口コミが広がり、その数も急速に増えた ⓒ キム・ヒョンドン記者
 
ソン・ヒヨン師範は生徒たちが道端でテコンドーの師範に会うと、90度で挨拶するくらいだと自慢する。このように、安山世界テコンドーアカデミーは、テコンドーを通じて精神教育も共に行いながら、彼らの責任感とプライドを育てる役割をしている。暴力や喧嘩に巻き込まれず、貧しい隣人を助けるのがいかに価値のあることなのか、自然と気付くようになる。彼らはこれからも、キレイで快適な多文化特区地域を目指して、継続的に町の掃除をしていく予定。さらに、実力が高い有段者を対象に、テコンドーのドリルチームを構成し、代表的な外国人祭りソンクラーン、檀園芸術際、市民の日など多くのイベントに参加したりもする。
 
自国に帰ったらテコンドーを伝えたい

テコンドーを趣味で習っていた外国人たちは、いまや新しい目標に向けて走っている。インドネシアから来たユリさんは、韓国に来て4年、テコンドーを習い始めてからは3年になる。最初は健康のためにテコンドーを習い始めたが、いまや違う目標ができた。自国に帰ってテコンドーの師範になるという夢を抱くようになったのだ。彼は、テコンドーを通じて韓国の大学に進み、テコンドーの国際大会で受賞したいという目標を話してくれた。ここには、ユリさんみたいに自国に帰ってテコンドー道場を開きたいという人たちが多い。実際自国に帰ってテコンドー道場をオープンした人もいるくらい。
 
「生徒のうち多くが、安山での労働を終えて自国に帰った後、テコンドーをPRしています。インドネシアの首都ジャカルタやスラゲン、チラチャップなどでは、生徒たちがテコンドー道場を開設・運営しています。この他、自国に帰った生徒たちがテコンドーの教師として活動するなど、一生懸命テコンドーのことを伝えています。テコンドーを通じた様々な前向きな効果が現れているのです」
 
インドネシアは、テコンドーの影響を大きく受けている地域の一つ。2012年慶州コリアオープンテコンドー大会で入賞するなど、色んな大会で受賞したといい、海外からの招聘も相次いでいる。年に1回はドリルチームが海外を訪問し、パフォーマンスを披露。2011年にはインドネシアからの招聘で、スラゲン地域でパフォーマンスを披露し、2012年にはインドネシアのバリにあるテコンドー協会を訪問した。
 
安山世界テコンドーアカデミーは、これからも引き続き有段者を育成し、彼らが自国に帰ってからも韓国の名を知らせると期待している。また、現地の人たちが安山を訪問する際は、合同研修などを通じて地域経済を活性化させ、長期的には観光産業の発展にも役に立つと予想している。
 
1-3.jpg イメージです。
◇ 安山世界テコンドーアカデミーの講義は、地域テコンドー師範など、4~5人が行う。彼らは安山一帯でテコンドー道場を運営している館長などで、外国人にテコンドーを知らせるという強い意志を持っている。実力が高い有段者を対象に、テコンドーのドリルチームを構成し、代表的な外国人祭りソンクラーン、檀園芸術際、市民の日など多くのイベントに参加したりもする ⓒ キム・ヒョンドン記者

その他、師範養成のための教育、セミナーなどを開催し、海外現地での支援も計画中。ソン・ヒヨン師範は、最後に力強い覚悟を語った。「韓国もいまや多文化に対し、より深く悩むべき時期に来ています。多くの方はまだ否定的な目で見たりもしますが、多文化を理解する心の姿勢が必要です。家族のように接し、彼らが韓国社会で離脱せず吸収できるように手伝うのが何より大事です。その役割をテコンドーが積極的に担いたいと思います」

安山世界テコンドーアカデミーの講義は、地域テコンドー師範など、4~5人が行う。彼らは安山一帯でテコンドー道場を運営している館長などで、外国人にテコンドーを知らせるという強い意志を持っている。実力が高い有段者を対象に、テコンドーのドリルチームを構成し、代表的な外国人祭りソンクラーン、檀園芸術際、市民の日など多くのイベントに参加したりもする。
 
ⓒ 京畿Gニュース | ヨ・ギョンミ記者
 
http://gnews.gg.go.kr/news/news_detail.asp?number=201304111109087055C059&s_code=C059