南楊州、有機農業王国を夢見るエコグリーンシティ

投稿日d 2013-02-27 ヒット数 499

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南楊州、有機農業王国を夢見るエコグリーンシティ

生命と環境、歴史の街
京畿東部

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◇ 茶山遺跡地は丁若鏞が生まれ、生を終えた場所である。遺跡地には茶山の銅像、生家の与猶堂、茶山記念館、茶山文化館などがある。ⓒ G-LIFE
 
南楊州は祝霊山(チュンニョンサン)、天摩山(チョンマサン)、水落山(スラクサン)などの名山と南韓江(ナムハンガン)が北漢江(プッカンガン)に合流する八堂湖(パルタンホ)などに囲まれた背山臨水の地であり、都市と農村が共存する街だ。京畿道の東北部に位置し、東側には楊平郡(ヤンピョングン)と加平郡(カピョングン)が、西側にはソウル市と議政府市(ウィジョンブシ)と九里市(クリシ)が、南側には河南市(ハナムシ)と広州市(クァンジュシ)が、北側には抱川市(ポチョンシ)が隣接している。南楊州市には肥沃な平地が広がっており、首都圏の野菜生産を主に担当している。また、丁若鏞の墓地、朝鮮王朝の王陵である光陵(クァンヌン)や洪陵(ホンヌン)、裕陵(ユヌン)などの文化遺産を保有している。
 
ユネスコ登録、2012年世界文化人物、茶山・丁若鏞

茶山(タサン)・丁若鏞(チョン・ヤギョン、1762~1836)は実学の2つの分派である経世致用(重農主義)と利用厚生(重商主義)を集大成した実学者である。今年は、茶山誕生250周年を迎える年であり、ユネスコでは、ルソー、ヘッセ、ドビュッシーと共に茶山を今年の世界的な記念人物に指定した。彼が生涯かけて解決に努めた様々な問題が、現在や未来の文明を開いていく人々に歴史的知恵と原動力を与えたとの評価だ。

南楊州市鳥安面(チョアンミョン)陵内里(ヌンネリ)に位置する茶山遺跡は、丁若鏞が生まれ生を終えた場所だ。ここには、茶山の銅像や生家である与猶堂(ヨユダン)、茶山記念館、茶山文化館などがある。入り口には茶山の業績を称えるため、水原城築造の際に使用された挙重機が展示されており、銅板には『牧民心書』や『経世遺表』などが刻まれている。
 
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◇ 有機農業栽培の歴史と文化が伺える有機農テーマパーク ⓒ G-LIFE

南楊州市は毎年、茶山の学問的業績を称え、実学思想を継承・発展させるため、茶山文化祭を開催している。茶山文化祭は各種市民行事や公演など、皆で楽しみ、交流できる市民文化祭だ。1986年に始まったこのお祭りは今年で26回目を迎え、京畿道の10大祭りに指定されるなど、京畿道を代表するお祭りとして飛躍した。9月7日から9日までの3日間行なわれる茶山文化祭では、獻茶礼や献花、歴史体験劇、書芸大会、文芸大会、論文大典などの文化行事が開催される。また、茶山誕生250周年を記念し、実学博物館を中心に、南楊州市や茶山研究所(ソウル中区巡和洞)、康津郡(カンジングン、茶山が送られた流刑地)などで一年中「茶山の饗宴」が行なわれる予定だ。

茶山遺跡に隣接する実学博物館は、難しいと思われがちな実学を身近に感じることのできる場所だ。2009年10月にオープンした実学博物館は実学思想を今日に伝えるため、様々な展示会やイベントを行なっている。常設展示会場では実学の形成とその展開、天文と地理など、全般的な実学思想を体系的に展示する他、毎年2回、特別展示会を開催している。現在、茶山誕生250周年記念の「茶山、漢江の生涯と夢」特別展が9月9日まで行なわれており、茶山の生涯、科学者・茶山、友との出会いと西学、茶山学の構成と性格などに関する資料が公開されている。

「有機農業王国」南楊州、世界有機農業大会開催で注目浴びる

「エコグリーンシティ」を目指す南楊州市は「有機農業王国」を目標に様々な取り組みを進めている。南楊州市は、「有機農業畑整備事業」を通して、今年中に街全体を小さな有機農業団地へと整備していく計画だ。有機農業とは、化学肥料や農薬に依存しない環境にやさしい農法をいう。
 
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◇ 有機農業王国「南楊州」は、昨年、世界有機農業大会を成功裏に閉幕させた。写真は大会当時、オーガニック葉菜類の展示会場の様子。ⓒ G-LIFE
 
この事業は、南楊州体育文化センターで開かれた「第17回IFORM(世界有機農業運動連盟)世界有機農業大会」が大きな足掛かりとなった。この大会は世界中で有機農業に携わる人々のオリンピックと呼ばれており、世界的にも広く関心を集めている大会だ。

「有機農業は生命である」をテーマに7日間行なわれた有機農業大会は、史上最大規模の76ヶ国2,899人が学術大会に参加、1,000余りの論文が提出され、歴代最多を記録するなどの好成績が高い評価を得た。特に、アジアでの開催が初めてということで、アジア国家や開発途上国からの積極的な支持と期待を集めた。これまで、有機農業はヨーロッパが中心となってきたが、今回の大会を通して、アジアの有機栽培が脚光を浴びるようになった。また、25万人におよぶ一般来場者の参加により、大会はさらに大きな意味を持つものとなった。

今年5月には南楊州市の瓦岐邑(ワブウプ)陶谷里(トゴンニ)に4大河事業で撤去された有機農団地の代替団地が建設された。ここの総敷地面積は17万4,000㎡で、25軒の農家がビニールハウス73棟と共同出荷場を建て今年3月から作業を開始した。

「有機農業王国」を目指す南楊州には有機農業の歴史と文化を提示する有機農業テーマパークがある。テーマパークはセンターゾーン(有機農業テーマパーク、生態系蓮池、テーマ広場など)、イベントゾーン(ファーマースマーケット、水耕展望公園など)、体験ゾーン(温室、薬草園、葉野菜園など)、ウェルネス園(果樹園、エコハーブ園、石塔園など)などで構成されている。様々な展示イベントや常設展示会、特別展示会が開かれ、農機具や書籍類などの歴史的所蔵物が一般公開されている。また、ミニ畑づくり、キムチ体験、不思議な豆話などの各種体験プログラムも随時行なわれている。
 
韓国にある小さなモンゴル、モンゴル文化村

南楊州市水洞面(スドンミョン)モンゴル文化村には、小さなモンゴルの町並みが広がっている。ゲルと呼ばれるモンゴル伝統家屋からはモンゴル人の生活の様子が伺え、各種伝統衣装や楽器、装身具や食文化に接することができる。モンゴル民俗芸術公演団による踊りや技芸、歌、さらにはモンゴル伝統騎馬団によるダイナミックな馬上ショー、ハラハラドキドキの高空サーカスショーなどが楽しめる。
 
最高の景観を誇る農村体験村

南楊州市では、澄んだ空気の中、自然を満喫できる多様な農村体験イベントを実施している。代表的な体験村には、コロスェ(イタヤカエデ)村、祝霊山山村村、雲吉山(ウンギルサン)有機農村などがある。コロスェ村は、主な生産物であるイタヤカエデの樹液や、山菜、しいたけなどを栽培しており、自然がそのまま残る秘琴(ピグム)渓谷の絶景で有名だ。祝霊山山村村は南漢江と北漢江が合流する場所にあり、きれいな水と祝霊山の秀麗な景色で人気を呼ぶ。有機農業のメッカ、雲吉山有機農村では、ほとんどの専業農家でエコ農業を行なっている。このような体験村では、各種収穫体験やグルメ体験などが行なわれており、特産品などを安く購入することができる。

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