始興、産業都市から生命都市へ

投稿日d 2013-01-16 ヒット数 451

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始興、産業都市から生命都市へ

東アジアの拠点、西海岸時代の到来、京畿西部
 
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◇ 2011年、玉龜(オック)公園で開かれた京畿庭園文化博覧会の様子。当時設計された庭園と施設物は、大会後にも公園の施設として活用されている。ⓒ G-LIFE編集部
 
始興の歴史を守る平野、戶曹ボル

月串(ウォルゴッ)方面へ第3京仁高速道路の物旺(ムルウァン)料金所を通過すると、だだっ広い平野が現われる。この平野が戶曹(ホジョ)ボルと呼ばれる場所だ。戶曹ボルは朝鮮時代、景宗(1721年)の統治下において、財政の充当と民の救恤を目的に造られた150万坪の干拓地で、始興市(シフンシ)の干拓の歴史が始まった場所だ。最近になり、環境の重要性が強調される中、戶曹堤防を再建し、水溜まりや湿地植物園、生態系公園などを建設、生命が生息し、人と自然が共存できる空間としての進化に重点が置かれている。この戶曹ボルで生産されているお米「ヘットミ」はエコ給食に使用されるほど、その優れた品質が認められている。

戶曹ボルに隣接する官谷池(カンゴクチ)は姜希孟(カン・ヒメン)先生(1424~1483)が中国から蓮華の種を持ち入れ、蓮華を栽培した場所だ。官谷池には蓮華のテーマパークがあり、素敵な撮影スポットとして人気を集めている。また、秋になると梅花洞(メファドン)で戶曹ボル祭りが開かれ、実りの秋の黄金の平野と美しい落陽を眺めることができる。

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◇ だだっ広い平野の貫禄を見せる戶曹ボル。始興干拓の歴史が始まった場所であり、現在は人と自然が共存できる空間へと変貌を遂げている。ⓒ G-LIFE編集部
 
香港の米埔湿地に挑戦状を!潮路生態系公園
始興市長谷洞(チャンゴクトン)にある潮路生態系公園は、京畿道の唯一の内湾干潟である始興干潟の中にある。始興干潟は日本の統治下にあった1936年に塩田として開発され、1996年まで潮を生産し続けてきた。最近、国土海洋部から12番目の湿地保護地域に指定された。

潮路の周辺には絶滅の危機に瀕する珍しい野生の動・植物が生息している。この潮路は世界でも珍しい蛇行性の内湾潮路で、西海岸と同様、潮汐が12時間25分間隔で起こる。また、山林庁の希少植物に指定されているアイアシ(イネ科多年草)の群落地が広がるなど、干潟の生態系が観察できる生態系の宝庫として注目を浴びている。

潮路生態系公園の近くには長峴(チャンヒョン)地区(88万6,000坪、マイホーム地区)がある。都市と自然の境界がなく、香港の米埔湿地(ラムサール協約指定湿地)のように、都市と自然が共存する生命空間づくりを目指している。

生態系公園の完成により、海岸と内陸を繋ぐ生態系観光コースが開発され、グリーンウェイ(戶曹ボル-物旺貯水池-生態系公園-月串-烏耳島(オイド))と共に始興を代表する観光コースとして脚光を浴びることが期待されている。

グリーンウェイや始興の「ヌムネキル」は、済州(チェジュ)のオルレキル、智異山(チリサン)のトゥルレキルに並ぶ有名なトラッキングコースだ。ヌムネキルは、森や旧道、干潟などの3つのコースからなる。森コース(13km)は始興市庁から始まり、市内の低い丘を歩くコースだ。旧道コース(11km)は蘇来(ソレ)山を中心に、昔の人々が利用した山裾や丘を繋ぐコースだ。干潟コース(16km)は、始興市庁から長峴川の堤防に沿って蘇来港の入口までを往復するコースだ。
 
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◇ 月串港の様子。ここの一番の自慢は新鮮な自然産の刺身を味わえるということだ。ⓒ G-LIFE編集部

先史遺跡と烏耳島
 
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◇ 烏耳島 ⓒ G-LIFE編集部

紅い灯台で有名な烏耳島は、首都圏の人気観光スポットだ。金薫(キム・フン)の『塩田の秋、西海の烏耳島』など、様々な文学作品にも登場する。貝焼きやエビ天ぷらなどグルメでも有名。また、日の出や日の入が美しい場所ベスト5にもランクインするほどの絶景を誇る。(『ランキング大韓民国旅行百書』、2011)

玉龜(オック)公園から一望できる西海岸の風景も見逃せない。日本の統治時代、塩田の開発で陸地と繋げられた烏耳島は、地下鉄4号線の終点である烏耳島駅に隣接しており、近隣の住民だけでなく、ソウルからも気軽に訪れることができる。

昔の文献や地図で玉貴島(オックィド)、オックィソムなどと呼ばれていた烏耳島には、隠された秘密がもう一つある。1949年、尹武炳(ユン・ムビョン)教授の発見で広く知られるようになった烏耳島の貝塚は、中部西海岸地域の大規模な新石器時代の遺跡であり、現在、先史遺跡公園の建設が2015年の完工を目標に進められている。この公園一帯は烏耳島の先史海岸文化特区に指定されており、大規模な先史遺跡だけでなく、西海岸の干潟を活用した歴史体験教育や海岸文化体験空間となる見通しだ。文化特区の建設が完了すれば、地下鉄4号線の他にも水仁線が開通するようになり、名実共に首都圏最高の観光地へと飛躍していくことが期待される。
 
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