韓国伝統餅体験館「湛多軒」

投稿日d 2012-02-20 ヒット数 463

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韓国伝統餅体験館「湛多軒」

韓国の伝統的なお餅が体験できる「湛多軒(タムダホン)」。「おいしいです」韓国の伝統的なお餅は、まさに「情」だと言えるだろう。
 

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日本の東京で生まれた私は、住み慣れた埼玉県を離れ、何年か前に韓国へやって来た。おいしいものを食べることが趣味である私にとって、韓国はとても魅力的な国である。おいしいものが至るところにたくさんあるからだ。今回、私は韓国の伝統的なお餅の魅力にどっぷりはまってしまった。京畿道議政府(ウィジョンブ)市にある「湛多軒」で学びながら味わった韓国の伝統的なお餅は日本の「お餅」や「和菓子」とは少し違ったものだった。

この文は日本人である中山ひろみさんの韓国伝統餅体験記を彼女の目線から再構成したものである。

「湛多軒」で出会った韓国の伝統餅名匠
京畿道議政府市山谷洞(サンゴクドン)にある「湛多軒」に到着すると、朴敬愛(パク・ギョンエ)さんが温かく迎えてくれた。朴敬愛さんは京畿道が指定したお餅の名匠で、湛多軒体験教育館を担当している。お餅の専門家らしく、議政府市内で数十年間ポクトク精米所を営業してきたという。穏やかな笑い声で見慣れない外国人を温かく迎えてくれた。
 

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体験館は広くてきれいに整頓されていた。片隅に色とりどりの低い椅子が置かれており、それは幼稚園生や小学生たちが来た時に使用するものだった。ちなみにこのお餅体験は、子供にも大人気だそうだ。部屋の隅にはいろいろな伝統餅の写真が展示されており、その形や色がとても美しかった。お餅1つを取って見ても韓国の美を伺い知ることができる。韓国の伝統的なお餅を実際に作ってみることができるなんて、作る前から期待に胸が膨らんできた。パンやクッキーより料理の手順が複雑で難しそうだった。
 
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「全然難しくないんですよ。作ってみたら分かると思いますが、お餅ほど簡単に作れるものはないでしょうね」朴敬愛さんの言葉に「よし!」気合いが入った。

天然の食材だけで作るお
お餅を作る材料を見てみると、米粉、水、砂糖、塩で、随分簡単なものだった。色や味を出したい場合は、他の食材を使うこともできるそうだが、作る人の好みに合わせて、その種類は数十種類から数百種類までにもなるという。
 

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今日は、カクタス・ペア、麦の芽、かぼちゃ、くちなしの実の粉が用意されていたのだが、色が本当にきれいだった。パンやクッキーを作る時は、ベーキングパウダーやバターなど加工された材料が必要であるが、お餅は人工的なものが一切入らない。朴敬愛さんによれば、お餅は食品添加物や防腐剤のようなものが入らないため、日持ちせず、輸出することができないそうだ。もちろん、市販のお餅の中には防腐剤が入っているものもあるが、そうするとお餅本来の味と機能が失われるため、本当のお餅を味わうことはできなくなるという。

韓国の伝統餅は、小さくて可愛らしい日本の和菓子とは違い、ボリュームのある味が特徴だ。
「韓国のお餅は‘分け合う’という意味を持ちます。お持ちを作るためには、少なくてもお米8kgほどを準備しなければならないため、随分たくさん作れるんですね。ですからお餅を作るのは、ご近所さんたちと一緒に分けて食べるためだと言えます。このことからも「お餅」はまさに「情」を表していると言えます」
「お餅は情を表す」という朴敬愛さんの言葉は本当に感動的だった。また、ご近所さんと一緒に食べるために作るだなんて、韓国人の深い情を感じた瞬間だった。

でおもしろいおづくり
今日作ったのは餅ケーキ。お餅を作る前に、まずはお米を1時間ほど水でふやかした後、精米機にかけ、米粉を作った。体験プログラムでは既に米粉が準備されていた。次に米粉に色を出すための材料を選んだ。私が選んだのは紫色を出すカクタス・ペア。カクタス・ペアはお餅になると色が若干変わり、苺の粉と混ざるとさらにきれいな色を出すという。
 

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米粉とその他の材料をしっかりと混ぜ合わせた。やわらかい感触がおもしろく、子供たちも喜びそうだった。十分に混ぜ合わせた後は、少量の水を入れ、何度か裏ごしをした。お餅にはベーキングパウダーが入らないので、裏ごしすることで、米粉と米粉の間に空気を入れるそうだ。米粉を裏ごしすればするほど、やわらかいふっくらしたお餅を作ることができる。その後、砂糖と塩を入れ、米粉を蒸し器に入れた。続いて餅ケーキ型を米粉にそっとかぶせた。おもしろいのは、米粉が崩れずににそのままケーキ型の形になるということ。後は蒸すだけだ。

10分ほどすると、きれいな色のお餅がおいしそうな匂いを漂わせ始めた。型どった通りの形のきれいなケーキ型のお餅が現れた。その上に色とりどりの切り餅で花や星、ハートなどを作り、デコレーションすると私だけの餅ケーキが完成。思っていたよりも随分簡単だった。このぐらいだったら家でもいくらでも作れると思った。「お餅づくりが難しいと思う人も多いかと思いますが、全然難しくありません。もちろん、作り方の複雑なものもありますが、基本的な作り方だけ知っていれば、自分だけの方法でいろんな応用ができるのがお餅ではないでしょうか」
 

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実際に作ってみると、子供たちが喜ぶような工程がとても多く、感性教育にもとてもいいのではないかと思った。味も健康も一度にゲットでき、色や形も美しい韓国の伝統餅は、まさに世界的にも逸品として認められる可能性が十分なのではないだろうか。
いつか、日本にいる両親にも本場韓国の伝統餅を作って食べさせてあげたい。

Travel Tips
湛多軒(タホン)は、「楽しく学ぶことの多い家」を意味する。体験プログラムは事前に予約しなければならず、京畿米と国内産の天然食材でお餅を作ることができる。体験プログラム以外にも自営業を準備している人たちのための専門教育課程も開設されている。お餅づくりの他にも羊羮づくり、茶食(韓国式らくがん)づくり、豆腐づくり、麹づくり、天然調味料づくり、キムチ漬け体験や週末教育農場(毎年分譲)など、消費者中心の各種プログラムが実施されている
文/中山ひろみ、チャン・ジョンヒョン  写真/イ・ヨムギュ
 

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湛多軒
住所: 京畿道 議政府市 山谷洞 575-3
お問い合わせ: 031-848-8523
ホームページ: www.cafe.naver.com/damdaheon

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