世界有機農業大会の開催成功に向けた確信!
投稿日d 2011-09-09 ヒット数 602
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世界有機農業大会の開催成功に向けた確信!
(2011.08.29)
アンドレ・リューIFOAM副会長、最終点検のため訪韓
準備状況に満足・・・「韓国は世界農業の未来」
◇ アンドレ・リュー世界有機農業運動連盟(IFOAM)副会長は28日、第17回世界有機農業大会が開かれる南楊州体育文化センターと有機農博物館、イベント会場などを回った後「最高の大会になることと確信している」と述べた。ⓒ Gニュースプラス
「韓国の小農は資源を少なく活用しながらも効果的な生産が可能であることを証明する良いモデルである」
京畿道が主催する第17回世界有機農業大会の最終点検のため26日から28日まで韓国を訪問したアンドレ・リュー(50·Andre Leu)世界有機農業運動連盟(IFOAM)副会長は28日、清潭(チョンダム)洞リベラホテルでのGニュースプラスとのインタビューで世界有機農業大会の準備状況への満足感と大会開催成功への期待感を示した。
リュー副会長は「開発途上国の貧困解消や生活の質の改善に向けて韓国の小農をモデルにして活動していきたい」とし、「韓国農業が世界農業の未来である」と絶賛した。
さらに、リュー副会長はIFOAMの活動に関し、「政府の政策や支援が大規模農業に集中しているため、我々はバランスを取るという意味で小農にこだわっている」とし、「生態集中的な農業を通じて資源を少なく活用しながら、生産量を向上させる有機農法を開発、世界中の貧困解消や食糧確保に貢献していきたい」と明らかにした。
–第17回世界有機農業大会が開かれる現場を視察した後の感想は?
「大会が開かれる韓国に来れたことを本当にうれしく思っている。今回の大会が成功裏に開催されることと確信している。韓国の組織委員会の皆さんの大会への熱心な姿勢が印象深かった。歴代の有機農大会のうち、最もすばらしい大会になることを期待したい。特に本大会以外のG-フードショー、農民マーケット、スローフードなど、様々なイベント企画が印象的だ。今回の大会は持続可能な農業と食糧体系の増進に貢献できる意義深い大会となるだろう。
さらに、有機農業市場が小規模なものであると思われがちだが、世界的に形成されている有機農業市場は60兆ウォンを上回るもの。有機農業が世界的に全ての地域で急成長を遂げている分野であるという点を、今回の大会を通じて証明できることを願う」
–第17回世界有機農業大会がアジアでも韓国で行われる理由は?
「世界有機農業大会が韓国で開催されることは時宜に適したもの。現在、世界的にもアジアの浮上が注目を浴びている。全般的な世界の流れに照らし合わせてみるとき、ヨーロッパや北米の経済を中心に従来の多くのものが限界に達していることが分かる。そんな中オーストラリアをはじめとしたアジアの急速な発展に伴い、世界的なリーダーシップを発揮する時が来たと思っている。3年前のイタリアモデナでの総会で次期開催地をアジアに決定したことは偶然の一致ではない。今回の大会はアジア地域の見本を示す重要な機会となるだろう。
また、韓国で開催される重要な理由の一つとして、世界的にも急成長を遂げた国家として良いモデルであることを挙げることができる。産業的な側面、つまりITや自動車生産、機械製造などの技術面でも世界的にレベルの高い市場競争力を持っている。これに合わせて、生産性の高い小農体系に基づいた農業も徐々に発展を見せている。韓国は開発途上国であるカンボジア、ミャンマー、ウガンダ、ルワンダ、タンザニアなどのモデルとなり、これが世界的な貧困解消や生活の質を向上させていく世界農業の未来を担っていくことと確信している」
–韓国の有機農業に対する評価は?
「韓国の小農概念を見るとき、小面積で生産量の多い農作物を収穫することができるということは驚くべきことだ。韓国人は最高の農夫である。だが、最高であるというプライドだけで努力を怠るとすぐに後退してしまうだろう。今回の大会を通じて世界中の人々と技術や情報を共有し、より良い方向へと発展することのできる機会を作っていってほしい」
◇ アンドレ・リュー副会長は「京畿道が今回の大会を主催することに対し、これが最後ではなく韓国の有機農業の発展に繋がる出発点になれば」とし、「韓国の中央政府も京畿道をモデルとし大会や有機農関連の行事を数多く誘致していかなければならない」と述べた。ⓒ Gニュースプラ
–有機農業の市場規模は現在60兆ウォンに達すると言われているが、市場拡大への具体的な計画はあるのか?
「市場拡大は非常に難しい問題だ。現在有機農業市場の消費者はそのほとんどが子供のいる家庭だ。特にほとんどの国家が有機農業をサポートするよりは農業の中でも農経営学や農経済学の分野を支援している。遺伝子組み換え食品の拡大など経済学的にもスケールの大きい経済特許などを得て他国に販売するという大規模な経済のみを重要視している。
しかし、有機農業は小農や小さなスケールの経済を考える農業であり、経済学的な見地から考察してみる時、小農がそれぞれの農地に投資した資源に対する生産量は、他のものよりもダントツに経済的であることが分かる。
このような状況の中、政府の支援は非常に重要な役割を果たす。政府が有機農業を支援しなければ正しい政策は生まれてこない。規定や有機農業への投資に関する指針などを政府が定めなければならない。これに合わせて最も重要だと言えるのが教育である。有機農業を教育する学校が多数設立され、農民が持つ地域の知識をシェアする空間が学校に設けられて初めて有機農に対するR&Dが推進されることから政府の政策は非常に重要だと言える」
–今回の総会理事会で次期会長の有力候補に上っていると聞いたが、次期会長になったら世界有機農業大会をどのような方向に引っ張っていく計画か?
「世界理事会で会長に選出されたら、まずは小農の発展に力を入れていきたい。生態集中的な農業を通じて資源を少なく活用し、生産量を高める有機農法を開発することに努め、世界的な食糧確保に貢献したい。
また、重要な問題である教育や有機農関連の環境、気候変化、人間の健康に対して集中的に取り組んでいきたい。その次に重要だと思うのが貿易問題だ。現在、有機農貿易や農業関連の貿易の壁は非常に高い。その壁を撤廃したいと思っている。その理由は、貧しい農民たちが貧困から脱出する道は、貿易を通じて市場に接近していくこと。貿易により富国の経済に対する接近性が高まると生産費用を充足することのできるより良い環境を作ることができる。
重要なフォーカスは「小農」、「共同体」、「地域性」だ。開発途上国の小農たちは自分たちの食料を生産し、自給自足を行っている。剰余生産物がないため、富を創出することができないのである。富を創出してこそ子供たちを学校に通わせ、服を買い、健康を考えることができる。彼らの生活の質を向上させることに繋がるのだ。
韓国が重要だと言った理由は韓国の小農たちが今言ったことを実践しているためだ。韓国の小農をモデルにしていきたい」
–今回の大会を一般人に分かりやすく紹介してほしい。
「有機農大会は農夫、消費者、貿易関係者らのための大会ではなく、世界中の全ての人々のための大会である。我々が成そうとしていることは大枠を描くことである。
有機農大会が「有機農オリンピック」と呼ばれる理由は、全ての職業に携わる人々が世界有機農業大会という大きな機構の下に集まり、情報を共有するためだ。農民は生産に対する情報を、消費者は消費に対する情報を得ることができる。我々は世界中に散らばる仲間だ。これを一言でまとめると「ネットワーキング」だと言える」
◇アンドレ・リュー副会長が訪韓期間中、第17回世界有機農業大会の現場を訪問、鳥瞰図を見ながら現場の状況を点検している。ⓒ Gニュースプラス
–今回の大会主催には京畿道、南楊州(ナミャンジュ)市、楊平(ヤンピョン)郡などの自治体が参加、特に京畿道が有機農業育成発展に対して多くの支援を行っている。このような事業を評価するとしたら?
「まずは、自治体らの大会支援に対して感謝の意を示したい。ここで重要なのは政府による介入で終わらせずにこれが出発への足掛かりになるということだ。IFOAMとの友好な関係づくりにも努めてほしい。今回の大会が開催のみで終わるのではなく、韓国の有機農業の発展への足掛かりになることを願う。韓国の中央政府も京畿道をモデルにし、大会や有機農に関する行事を多数誘致していってほしい」
–今回の訪韓期間中、ボランティア教育でどのような話をしたのか?
「まずは時間を割いてボランティア活動を行ってくれることに対する感謝の意を述べた。また皆さんが韓国の外交官であり、世界中から訪れる大会参加者に韓国への良いイメージを持たせる機会になると述べた」
–一部では有機農業の方向について大規模農業より小規模な有機農運動にだけ焦点が当てられているという指摘もあるが。
「大規模農業と小農との両方を進めていかなければならない。オーストラリアでは何千haにお米やにんじんを栽培しているが、都市での消費形態や需要が形成されているため大規模な有機農業が行われなければならない。しかし、重要なのは世界中で小農らが政府や公共機関の政策から傍観されてきたということだ。大規模農業にのみ焦点が置かれてきたため、我々が小農に力を入れているのだ。小農こそが生産性の最も高い農業であるからだ。経済や政策が全て大規模農業に集中されているため、バランスを取るという点で有機農運動は小農に力を入れなければならないのが今の状況である。韓国は小農の効率的な生産が可能でることを証明する良いモデルである」
–学者からIFOAM運動をするようになったきっかけは?やりがいはあるか?
「教育学で修士を取った。4年間農夫生活をする中、慢性喘息に悩ませられながら大変な思いをした。その時健康に良い食べ物がいかに重要かを思い知らされ、有機農運動に参加するようになった。
やりがいを感じるのはまさに今現時点だ(笑)。30年前は農業の取り巻き、科学に反対する人という扱いを受けた。我々が主張する「生態学的科学」が当時は新しいものであったが、今はブームとなっている。今現在の農業システムは科学に基づいたものだと思う」
アンドレ・リュー副会長はオーストラリアのシドニー工科大学および大学院を卒業、オーストラリアで有機農果樹農場を運営する有機熱帯果物の専門家だ。世界的な蓮の花の専門家として2007年楊平ドゥムルモリ生態公園「セミ園」のオープン式に顧問として参加するなど、京畿道の発展に貢献したとして2009年7月に京畿道名誉道民に選定された。
1972年フランスで結成されたIFOAMは世界の有機農業生産者、加工業者、流通業者、研究者らで構成された連合団体で、130ヶ国700団体がこれに加入している。
IFOAM世界有機農業大会(OWC)は3年ごとに世界中を巡回しながら開催される有機農業関連の国際学術大会で、今回の第17回目の大会は従来の民間中心の大会から地方自治体と民間が協力して行うガバナンス(Governance)形態で開催される。
◇アンドレ・リュー副会長が第17回世界有機農業大会が開かれる現場を視察した後、組織委員会の関係者らと大会の成功を祈願しファイトを叫んでいる。ⓒ Gニュースプラス
第17回世界有機農業大会はどのようにして開催されるのか。
「農業分野におけるオリンピック」と呼ばれる第17回世界有機農業大会が来月26日から10月5日までの10日間南楊州体育文化センターと楊平郡セミ園一帯で開催される。
今回の大会は歴代史上初めてアジアの京畿道で開催され、世界110ヶ国1千100人以上の参加者と国内20万人以上の観覧客が訪れることが予想される。
大会日程のうち、72ヶ国982編の学術論文が発表される学術大会とIFOAM認証基準および次期大会開催地を決定する総会などの本行事が南楊州体育文化センターと南楊州有機農博物館で行われる予定だ。
一般客のための多彩なイベントも設けられており、有機農業博覧会、有機農ツアー、有機農テーマ公園や今年で5回目となる京畿道のG-フードショーをはじめ、全国の餅名人選抜コンテストやサムジ・ロック・フェスティバル、スローフード大会などが開催される予定だ。
有機農博覧会とG-フードショーは400以上のブースに30ヶ国100以上の企業が参加、新鮮な農産物や加工食品、有機関連の化粧品、繊維、おもちゃなど各国で発売されている商品を展示・広報するほか、海外輸出のための販売促進展も行われる。
このほかにもサムジ・ロック・フェスティバル、正午の音楽会、有機農映画祭などのイベントを企画、充実したプログラム内容の構成づくりに努めていく方針だ。
ⓒGニュースプラスニュース | イム・ジョンソン isim123@hanmail.net
http://gnews.gg.go.kr/news/news_detail.asp?number=201108291723493315C052&s_code=C052
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