マラリア防疫物資が「統一の関門」を越える
投稿日d 2011-06-14 ヒット数 843
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マラリア防疫物資が「統一の関門」を越える
(20110523)
23日、幼虫駆除薬品・蚊取り線香などを北朝鮮に支援
京畿道・仁川市が南北共同防疫推進
◇23日午前、北朝鮮へ送るマラリア防疫物資を載せた25トントラックが坡州「統一の関門」を通過している。ⓒ Gニュースプラス ファン・ジノァン
23日午前9時30分。北朝鮮への支援物資を載せた25トントラック3台が坡州(パジュ)市都羅山(トラサン)南北出入事務所(CIQ)を通過した。延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件以後、難色を示していた南北関係に回復の兆しが見えた瞬間だった。
今回の北朝鮮への物資支援は、政府ではない京畿道と仁川(インチョン)市などの南北の境界線にある自治体らが行ったもので、マラリアの拡散を防ぐための南北共同防疫事業の一つとして行われた。
この日、トラックは開城(ケソン)まで続く陸路を通過、幼虫駆除薬品1500?sや蚊取り線香9万5000パックなど1億3700万ウォン相当の物品を北朝鮮側に届けた。今回の第1次分に続き、京畿道と仁川市はマラリア診断キッドや防虫網、妊婦のための予防薬などを2〜3回ほど支援する計画だ。
この事業は京畿道が2008年初めて行ったもの。2007年当時、全国のマラリア患者のうちの45%に達する1007人が京畿地域で発生した。北朝鮮との境界線地域での発生頻度が特に目立ったことから、道は、マラリア防止のため北朝鮮にマラリア共同防疫事業を提案し、北側がこれを受け入れることで2008年から開始されることになった。
昨年までの3年間、道はマラリア共同防疫事業に11億3千万ウォンを支援した。その後、マラリア発生率は減少傾向を見せたものの、昨年の延坪島砲撃事件以降、北朝鮮に対する防疫物資支援が遅れを見せる中、再度増加傾向に転じた。
道は長期的な観点から国内のマラリア根絶のためには境界線地域の自治体との協力体制づくりが重要であると強く認識するようになり、今年の初めから仁川市との緊密な協議による共同事業の推進に力を入れてきた。
今年は事業費も前年(3億5千万ウォン)の3倍となる10億ウォンに策定するなど支援規模の拡大を図った。今年から参加する仁川市は2億ウォンを支援する予定だ。
ついに、京畿道は4月27日、仁川市は9日、政府から防疫物資搬出承認を受け、5月23日に第1次支援物品を北朝鮮側に送った。対北朝鮮のボランティア団体である(社)民族助け合い運動もこの事業に積極的に参加している。
◇この日、坡州臨津閣(イムジンガク)で開かれた共同輸送式に参加した金文洙京畿道知事と宋永吉仁川市長が開城に出発するトラックに手を振っている。ⓒ Gニュースプラス ファン・ジノァン
今回の共同防疫事業は、延坪島砲撃事件以降、緊迫した状態が続く南北関係を回復させるきっかけを作ったとして高く評価されている。また、仁川市の参加により従来の共同防疫地域である開城市や黄海(ファンヘ)北道、黄海南道までの広範囲に渡る地域への防疫が可能となり、事業効果の拡大が期待されている。
防疫物資の陸路搬出に先駆け、この日の午前中坡州臨津閣で開かれた共同輸送式で、金文洙(キム・ムンス)京畿道知事は「マラリア退治には南北の境目やDMZなどは存在しない。この事業は北朝鮮を支援するというよりは南北が共存していくための共同事業である」とし、「仁川はもちろん、境界線地域にある江原道とも協力して後進国の病気であるマラリアの退治に積極的に取り組んでいきたい」と述べた。
続いて宋永吉(ソン・ヨンギル)仁川市長も「本事業は境界地域の住民の健康を守ることが目的」とし、「本事業を通して南北間のさらなる信頼を築き、食糧支援の再開など、南北関係の改善への足掛かりになるよう持続的な事業拡大を推進していきたい」と述べた。
一方、京畿道は北朝鮮の乳幼児の健康状態改善のため、今月末から黄海北道などで粉ミルクや栄養食、豆乳などの支援を行う方針にある。
世界銀行が今年発表した世界発展指標報告書によると2004年から2009年までの6年間、北朝鮮の乳幼児の20.6%が平均体重に達しておらず、43.1%が深刻な栄養不足で発育が遅れている状態だという。これに対して京畿道は、今年、9億5千万ウォンの予算を編成、北朝鮮の乳幼児及び低所得家庭を支援するための事業を準備中にある。
これに先駆け道は、昨年、(社)南北助け合い及びワールドビジョンと業務協約を結び、粉ミルク1万4千個を黄海北道地域に支援した。延坪島砲撃事件で保留となった栄養粥の支援もワールドビジョンを通して近々再開される予定だ。
◇共同輸送式で金文洙知事と宋永吉市長が北朝鮮側に届ける幼虫駆除薬品の成分と用途をじっくり調べている。ⓒ Gニュースプラス ファン・ジノァン
ⓒ Gニュースプラスニュース| ナム・ギョンウ echo2008@kg21.net
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