白南準(ペク・ナムジュン)アートセンターオープン

投稿日d 2008-10-27 ヒット数 5345

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「白南準が末長く住む家」と名付けられた白南準アートセンターが10月8日「白南準フェスティバル」と共にオープンする。 
2006年8月29日工事を開始した白南準アートセンターは、龍仁(ヨンイン)市・器興区・上葛洞85番地にあり、2008年4月30日完工式を行った。白南準アートセンターは、2003年国際コンペで選ばれたドイツのクリステン・シェメル(Kirsten Schmel)の「マトリックス(the Matrix)」という作品をもとに、マリナ・スタンコヴィック(Marina Stancovic)と共同で設計したものである。 
同アートセンターは、2001年11月白南準さんと京畿道がMOUを結び、建設が決められてから7年が過ぎた今年、いよいよ開館するに至った。 
同センターは、ビデオやメディアアート専門機関という媒体中心の美術館の域を超え、自発性や創造性、革新性という精神の下、多民族、人種、階級、国家、性、文化、そして伝統と現代の位階や差別に抵抗する媒介空間(Mediated Space)を目指すという。 
媒介空間とは、単純なナラティブを拒み、世界的なレベルで他者性を含む実験空間のことであり、国内と国際、内部と外部、芸術と社会との間で活発な交流が行われるダイナミックなステーションのことをいう。 
芸術やテクノロジー、人文学の実験的融合&教育を社会の中にまで広げ、多様な方式をもって社会的介入や連携を行うという、その目的に見合う国際アートセンターへと発展していくだろう。 

○ 韓国初の外国人学芸室長を迎える 
白南準アートセンターは、3月1日初代館長(イ・ヨンチョル、桂園造形芸術大学教授)の選出とともに、白南準アートセンターのビジョンや性格、方向性を決め、国際的なアートセンター構築に向けての礎を築いた。 
特に、外国の有能な専門キュレーターを採用し、白南準アートセンターのスタッフやシステムを格上げすることで、グローバルセンターとしての威容を誇った。 
国際的な人材確保に向け、白南準アートセンターは9月1日ドイツ出身のキュレーターで、香港「パラ・サイト(Para/site)」ディレクターを歴任したトビアス・バーガー(Tobias Berger)を白南準アートセンターの学芸研究室長として迎えた。 
韓国の公共美術館で学芸研究室長に外国人を迎えたのは今回が初めてのことだ。彼はドイツ・ボーフムにあるルール大学で芸術史と経済学を専攻し、アムステルダム・ドゥ・アペルのキュレーター育成プログラム過程を修了している。2002年リトアニア・バルティック国際美術トリエンナーレ芸術監督、ニュージーランド・オークランドにあるアートスペースのディレクターとしても在任したことがある。 
また、2005年広州トリエンナーレ、2006釜山ビエンナーレの展示企画にも参画するなど、アジアの作家や美術に関心を持っている国際的なキュレーターである。 
なお、今年7月からすでにポルトガル出身のキュレーター、クラウディア・ペスタナ (Claudia Pestana)が同アートセンターに勤めている。彼女は、リスボン大学で哲学と美学を、ロンドン王立美術学校で現代美術キュレーティングを専攻し、ポルトガルの「グルベンキアン財団近代美術センター(Calouste Gulbenkian Foundation: Modern Art Centre)」や2007カセル・ドキュメンタ教育チームで働いた経験のある、国際的に活発な活動を展開している才媛だ。 
クラウディア・ペスタナは、今後白南準アートセンターで展示企画、国際広報など、多様なキュレイトリアル・プログラムを担当することになる。 
これらの人材を迎えることを皮切りに白南準アートセンターでは、国際的な機関として跳躍できる土台を設けるため、キュレーター・フェローシップ&レジダンスプログラムを運営するつもりだ。 
白南準及びメディア研究のハブとして、外国のプログレッシブな美術機関との協力を行い、韓国国内において国際キュレーターを育成するインキュベーターの役割を果たしていくものと思われる。