韓国海洋レジャー産業の新しい幕を開く
投稿日d 2008-06-30 ヒット数 5655
コンテンツ
♦ 2008京畿国際ボートショー&コリアマッチカップ世界ヨット大会が15日閉幕
♦ 1300件を超える商談実績と600億ウォンに及ぶ契約を締結
♦ 外国企業、韓国海洋レジャー市場に魅力を感じ、再訪問を約束
♦ 京畿・西海岸は国内海洋レジャー産業の中心地というブランドを確保
♦ 京畿道、国内海洋産業の新しい幕を開いたと自評
国内最大海洋レジャーフェスティバル「2008京畿国際ボートショー&コリアマッチカップ世界ヨット大会」が15日閉幕した。
初開催というハンディキャップにもかかわらず、開会以前からアジア3大ボートショーとして多くの期待を集めた同大会では、1320件2400億ウォン規模の輸出商談が行われ、そのうち180件600億ウォン近い契約&現場販売が実を結び、国内海洋レジャー産業の新しい幕を開く大きなきっかけになったと高く評価されている。
2008京畿国際ボートショー総合業績(暫定集計)
• 輸出商談:1320件、2400億ウォン(240百万ドル)
• 契約&現場販売:180件、600億ウォン(60百万ドル)
• 来場者:35万人
6ヶ月という短い準備期間、皆無状態に等しい国内海洋産業の現状などを理由に、大会開催に対する懸念の声も多かったが、その結果は「ファンタスティック」なものであった。当初目標の3倍以上を超える来場者数に京畿道の関係者も驚き、海外からのバイヤーも驚いた。会場を埋め尽くしたボートの魅力に来場者からは感嘆の声が絶えず、誰もが海上で繰り広げられるファンタスティックなヨットレースに盛大な拍手を惜しまなかった。
韓国海洋レジャー産業の潜在力を確認
180件、約600億ウォン
これは、2008京畿国際ボートショーが残した商談件数と契約&現場販売の暫定集計数値である。国内海洋船舶産業の市場規模が年間100億ウォンであることを考えれば、その6倍に達する取引がこの5日間で行われたことになる。京畿道が同大会の結果をポジティブに評価する最も大きな理由である。京畿道は同大会の一番大きな成果として、ボートショーへ参加した海外のメーカーに韓国海洋レジャー産業の潜在力を深く印象付けたことをあげる。海外参加業者とバイヤーは、膨大な国内来場者の数と、ジョンゴク港の立地条件などを直接確認し感嘆の声を連発、韓国市場の発展可能性について確信した。
フランス海洋産業協会から参加したタミー・グールドストーン(Tammy Gouldstone)代表は、「準備期間が短かったためあまり期待していなかったが、とても素晴らしい大会だった」とし、「韓国海洋市場の潜在力を確認しただけに来年は多くの提携会社の関係者も連れてくる」と約束した。
このような好反響を得られたのは、組織委員会が開いた投資説明会や海洋レジャー産業発展セミナーが功を奏したという意見が大方だ。投資説明会に参加した150人近い国内外の投資家は、海洋産業発展に向けた京畿道の意気込みが実感でき、韓国市場への信頼がより一層深まったと語った。さらに、京畿道が進めているマリーナ開発予定地見学ツアーにも参加、京畿・西海岸がマリーナとマリーナハウス開発の最適地であるとの意見も示した。
海外メーカーの国内市場参入への取り組みも活発であった。オーストラリア海洋産業の中心地・クイーンズランド州政府の場合、通商長官みずから先頭に立ち国内100社を対象にした投資説明会を行ったりした。また世界海洋産業協会の主要国代表は記者会見を進んで要請し、国内マスコミに自国の海洋産業についてアピールした。
一方、国内企業も今回大きな成果をあげたようだ。なかでも世界市場の流れを一目で確認できたことや、新しい販路開拓の可能性が開けたことは、今後のビジネス展開にも大きなプラスになる。
ボート部品を製造するキム・ジョンミントリス社社長は、「今回のボートショーを通じて、ビジネス面における国際協力関係を構築できたことが大きな成果」だとし、「香港、ギリシア、中国、クウェート、タイ、バンコクなどのバイヤーとビジネス提携を結んだ」と喜んだ。
こういう反応は組織委員会が参加企業を対象に行ったアンケートでも現れた。調査対象166社の75%(125社)が来年も参加したいとの意見を示すほど、今大会はビジネス面においても目覚しい成果をあげた。これは初開催の展示会への再参加率が通常40〜50%であることを考えると、大変大きな意味があるとボートショー組織委員会は話す。
これからは海洋レジャー産業時代
京畿国際ボートショー開催に先立ち金文洙京畿道知事は、開催の意義を「海洋レジャーへの需要」だと述べた。週休二日制の拡大や所得増に支えられ、海洋レジャーの需要増が見込まれるだけに、それに対する準備が必要だとのことである。そして、その予測は的中した。当初、京畿道が目標としていた来場者の数は10万人だったが、ボートショーは開幕二日目にこの数値目標を達成した。この5日間35万人の来場者が会場を訪れ、目標数値の3倍を超える成果を挙げたのである。
予想を上回る来場者数は会場の熱気をさらにアップさせた原動力でもあった。バイヤーとの商談が活発に行われ、大半の参加業者が国内海洋レジャー産業の潜在力を確認した。ボートショー参加業者のシム・キュミョンCKマリーン課長は、「ボートショーを開催するというのは、その国の国民所得が2万ドル時代に入ったことを象徴するもの」だとし、「いよいよ韓国も海洋レジャー時代に入った」と語った。
会場を訪れた国内観客の積極的な態度も参加業者を驚かせた。水原から訪れたある夫婦は、「主人が釣りに余りにも夢中だったので、それを止めさせ一緒に山登りを始めたばかりだ。しかし、ここに来てフィッシングボートの魅力に惹かれて、これからは一緒にボートに乗って釣りを楽しむことにした」と購買の意志を表した。こうした来場者の関心はそのままボート販売につながった。ボート販売者によると、商談が大半であるボートショーの特性から見たとき、ボート販売は大変異例なことだそうだ。
チェ・ヒョングンボートショー組織委員会事務局長は、このような現象が現れるのは「トレンド」からだという。チェ局長は「需要はこれまでもあったが、その需要に応えられる供給がなかったのだ」とし、「韓国もいよいよ海洋レジャーが一つのトレンドになった」と説明した。
海洋レジャーの楽しみを知らせる
韓国の人々に海洋レジャーの楽しみを実感させ、体験できるチャンスを与えられたことも今大会の大きな成果といえる。オーストラリアから来たデイビッド・フレーザ(David Fraser)ヴェイル・インポート社代表は「学生と子供来場者が多いことが、他のボートショーとは異なる」とし、「彼らの自然な体験が韓国海洋レジャー産業の将来を明るくさせる」と述べた。
会場を訪れた子供らは、ワイヤレスボートの操縦、模型ボート作り、カヌーやカヤックなど多様な海洋レジャー文化を体験しながらボートショーの楽しみを満喫した。高陽市から友たちと一緒に来たある少年は「今日無線操縦ボートを見て一目ぼれしてしまった。お金を貯めて必ず買う」とはしゃいだ。子供らに夢を抱かせた効果もあったのだ。ソウル市から来た11歳の少年は「大人になったらヨットを購入して家族皆を乗せてあげたい。今日から一生懸命勉強する」といってみんなを笑わせた。
日頃からヨットに関心を持っているマニア来場者も多かった。大西洋横断が自分の夢だと語ったキム・ミンス国民大学生は「私の憧れのボートの値段が知りたくて来場した」といって具体的な商談に入ったりした。世界ヨット大会は来場者を魅了させたもう一つの見物であった。ヨット競技ははじめてだというキム・チョンモ氏は、「ヨットレースがこれほど臨場感あふれるものだとは知らなかった。熱狂ファンになりそうだ」とし、興奮を隠せなかった。
京畿道、韓国海洋レジャー産業の中心地というブランド獲得
京畿道は、今回の行事が「海洋産業分野で最も先を走っている自治体」というブランド構築のきっかけになったという点からも注目されている。「京畿道といえば海洋産業の中心」という公式が成立するほど、今回の大会は成功したという評価だ。
こういう事実をもとに、京畿道は35万に及ぶ来場者とイギリス海洋協会をはじめ国内外の多くの投資家が京畿道と積極的なパートナーシップ構築を望んでいるとアピールした。
京畿道は大会開催期間中、2015年まで1957億ウォンの事業費を投じ、京畿道・華城市・ジョンゴク港とジェブ島、クボン港、フルコッ港の4ヶ所に1113隻のボート係留ができる大型海洋複合産業団地造成のプロジェクトを発表した。
マリーナ開発に向け、京畿道は防波堤と係留場などのインフラ構築を担当し、ヨットの製造やマリーナハウス、サービス部門は、民間業者の投資を誘致する計画だ。
国内外投資家らも前向きな反応を示している。マリーナ開発に関心を示すあるメーカー関係者は「マリーナ開発の完成時期が決まっている上、道の意志が確固たるものであるだけに、民間企業の投資欲も強くならざるをえない」とし、「別途の投資誘致団が結成され、ワンスットプシステムで民間企業の投資が迅速かつ円滑に行われるようサポートしてほしい」と述べた。
ボートショーは華城市とジョンゴク港の住民にも多くのプラス効果を与えた。大会開催の成果に対し半信半疑であった地域住民らは、いまやボートショーの熱烈な支持者となった。ジョンゴク港のある食堂オーナーは、「昨日一日で600人のお客さんがいらっしゃった。これまで平日は30人弱だったがその20倍近いお客さんがいらっしゃったことになる」とし、「大会開催で地域発展が10年速まったような気がする」と大きな笑みを浮かべた。
まだ不十分なところもあり、2009年を期す
誰もが賛嘆した素晴らしい大会であったが、まだ不十分なところも多かった。予想を大きく上回る来場者で交通渋滞がひどく、トイレをはじめ各種サービス施設も不十分だったという指摘が多い。組織委員会でトイレと休憩の場所を急いで用意したものの会場を訪れた来場者を満足させるには力不足であった。ボートショー関係者は「予想を上回る来場者がいらっしゃった。今回提起された問題点をもとに2009年大会はより磐石なものにしたい」と決意した。
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