京畿道、20日から世界初の「データ配当」実施…李在明「データ主権実行の新しい出発シグナル」
投稿日d 2020-02-20 ヒット数 200
コンテンツ
〇 20~22日、京畿データ配当実施…地域通貨データ取引の収益を利用者に返還
– 昨年4月~12月使用実績のある20市・郡の地域通貨カード36万枚に120ウォンずつ支給
– 使用者が生産したデータが収益として戻ってくる世界初のデータ主権実践事例
〇 20日、「京畿道データ配当国会討論会」…データ配当・データ主権の意味と未来を論議
– イ・ジェミョン(李在明)知事「民間領域や中央政府へ拡散する初の出発地となることを期待している」
– オーストラリアの政治哲学者ティム・ダンロップ「データ配当は富を蓄積できる新しい実質的かつ革新的な方法」
京畿道は20日、地域通貨データ取引で発生した収益を地域通貨利用者に返還する「データ配当」を世界で初めて実施した。
データ配当(data dividend)とは、消費者のデータを収集・活用して企業が収益を創出した場合、データ生産に貢献した消費者に収益の一部を返還するべきという考え方で、京畿データ配当は、使用者が生産したデータが収益として戻ってくる「世界初のデータ主権実践事例」として評価されている。
配当の対象は、配当に同意した20市・郡(水原・高陽・龍仁・富川・華城・南楊州・平沢・坡州・広州・光明・河南・烏山・楊州・利川・安城・驪州・東豆川・果川市、楊平・加平郡)の地域通貨カードのうち昨年4月1日から12月31日の間に使用実績のあるカード36万752枚で、20~22日にカード1枚当たり120ウォンが自動的に支給される。
少額ではあるが、データ生産者の権利を認め、収益をすべて返還することで「データ主権保護」と地域経済の活性化という「データ好循環システム」の初の試験の場が設けられた点で有意義だといえる。
データ配当の実施に伴い、この日国会では、データ主権に関する社会的論議を拡散し、データ配当の活性化戦略を模索するための討論会も開かれた。
国会議員11人が共同主催し、京畿道経済科学振興院と韓国情報化振興院が共同主管した「京畿道データ配当国会討論会」では、「データ配当、データ主権の意味と未来」というテーマで熱い議論が繰り広げられた。
この席でイ・ジェミョン(李在明)京畿道知事は、「全世界でデータを『第4次産業革命時代の米』と表現している」と言い、「実際に、巨大なIT企業が莫大な利益を得ているが、データ生産の主体である個人はそれに相応する報酬を得ていない」と述べた。
また、李知事は「京畿データ配当は、データ主権を実行する一種の実験であると同時に、新しい出発を知らせるシグナル」と述べ、また「今後、他の民間領域へ、京畿道から全国へ、地方政府から中央政府へ拡大される初の出発地となることを期待している」と加えた。
つづいて討論会では、『あらゆるものの未来(The Future of Everything)』の著者ティム・ダンロップ教授の「京畿道データ配当の社会的・経済的意味」を皮切りに、嘉泉大学法学科のチェ・キョンジン(崔景津)教授が「京畿道データ配当の価値」、梨花女子大学社会福祉学科のイ・スンユン(李承潤)教授が「京畿道データ配当の未来」について発題した。
データの基本所得論を主張するオーストラリアの政治哲学者ティム・ダンロップは、「未来の雇用に対する論点は、単にロボットが仕事を奪うのではなく、技術変化が労働力をあまり必要としない経済を創出しながら経済の基本属性を変えるという点だ」と述べ、「富を蓄積できる新たな実質的かつ革新的な方法の一つがデータ配当だ。データ配当を通じてデータ抽出による収益金を公正に再分配することこそ、活気に満ちた経済と繁栄の社会を保証する重要な方法になるだろう」と主張した。
発題後は、ソル・フン(薛勳)、チョ・ジョンシク(趙正湜)、ユ・スンヒ(兪承希)、チョン・ソンホ(鄭成湖)、キム・ギョンヒョプ(金炅侠)、キム・ヨンジン(金栄鎮)、キム・ハンジョン(金漢正)、ペク・ヘリョン(白恵蓮)、ソ・ビョンフン(蘇秉勳)、シン・チャンヒョン(申昌賢)、チョ・ウンチョン(趙応天)議員など11人の国会議員をはじめ、政府や学会などのデータ産業専門家がデータ配当の発展方向について様々な意見を交わした。
さらに出席者らは、今後データ取引が活性化され取引規模が拡大したら、国民に返還される配当金の財源も大きくなることを期待し、そのためのデータ配当に関する法的保護措置の確保などの先決課題について論議した。