京畿道コールセンター、外国人への対応強化

投稿日d 2015-06-01 ヒット数 377

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京畿道コールセンター、外国人への対応強化
(2012.05.29)

5月から中国語などの5ヶ国語対応サービスをスタート、道内に住む外国人の便宜を図る

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◇ 京畿道コールセンターホームページ。6ヶ国語の対応サービス開始を告知。 ⓒ 120京畿道コールセンター

京畿道に住む外国人を対象にした外国語対応サービスで、今後日常生活での問題解決がより容易となった。

京畿道120コールセンター(以下京畿道コールセンター)が今年5月初め、外国人の生活の便宜向上と社会への適用のため、外国語相談サービスを拡大、スタートさせた。既存の韓国語と英語のサービスに、日本語、中国語、ベトナム語、モンゴル語サービスを加え、現在コールセンターで対応している言語は全部で6ヶ国語となった。

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◇ コールセンターの一角に設けられた外国語専用相談室。英語や中国語、その他言語の案内看板が見える。ⓒユン・ソンフン記者

母国を離れ初めて外国へ行き、定着し生活する場合、他国での生活に慣れるまではいろんな面で苦労するはず。これまで、京畿道に住む外国人たちは韓国での生活で何度も壁にぶつからなければならなかった。韓国の生活に必要な情報を得る機会が十分でなかったためだ。一方、京畿道は2007年にコールセンターを設立し、道政に関する道民からの悩みや質問に対応してきた。しかし、このような便利なサービスが英語圏以外の言語を使用する(または英語で意思疏通できない)外国人にまで行き渡っていなかったというのが現状だった。

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◇ コールセンターの一角に設けられた外国語専用相談室。モンゴル語の案内看板が見える。ⓒ ユン・ソンフン記者

京畿道は全国の自治体の中でも外国人の居住者が最も多い場所だ。2009年(5月1日現在)行政安全部が実施した外国人住民現況調査によると、道内で最も外国人が多く住む場所は安山市(アンサンシ)で、41,785人の外国人が居住しており、市全体の人口の約6%に当たるという。続いて水原市(スウォンシ、30,139人)、華城市(ファソンシ、24,914人)、城南市(ソンナム市、22,604人)などが外国人居住者の多い自治体に選ばれた。一方、抱川市(ポチョンシ)は市の人口の6.4%が外国人であり、京畿道内では外国人居住者の比率が最も高い地域に選ばれた。また、外国人の人口が1万人を越える32の自治体のうち、12の自治体が京畿道の管轄であったことが分かった。しかし、これは住民番号または外国人登録番号を持つ外国人だけを対象に調査したものであるため、実際の外国人の数はこれよりも多いと推定される。さらに最近の多文化家庭や外国人労働者の持続的な増加傾向をみると、外国人の数は今後さらに増加していくものと見られる。

このような状況に合わせて、京畿道コールセンターは韓国語や英語以外の言語使用者数が最も多い上位4ヶ国語を選定し、道内に住む外国人のための対応サービスを実施することにした。また、電話やホームページでの相談だけでなく、ツイッター(@ggsmart120)やフェイスブックなどのSNS相談サービスもそれぞれの言語別に行う他、別途のスマートフォンアプリの掲示板を使って相談サービスを受けられるようにもした。今年6月からは従来の携帯メールサービスの他に双方向メール通知サービスを導入していく予定だ。

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◇ 相談員が使用している電話機 ⓒ ユン・ソンフン記者

しかしながら、現在、外国語対応サービスに対する外国人の実質的な利用頻度が低いという点で、今後の改善策の検討が急がれる。京畿道コールセンターのユ・ウォニョンセンター長は「英語の場合1日1件ほどの問い合わせがあり、残りの言語の場合はそれ以下だ」とし、「外国人に京畿道コールセンターを知らせていくためのより積極的な広報活動を行なっていく必要がある」と語った。

以下はユ・ウォニョンセンター長とのインタビュー内容。

Q:コールセンターサービスを5ヶ国語に増やした理由は?
A:京畿道は全国でも外国人居住者が最も多い自治体だ。外国人労働者や多文化家庭の増加により今後さらに外国人が増えていくことが予想される。工業団地が密集している安山、水原などには外国人労働者や多文化家庭が特に多い。彼らは他の外国人よりも関心をもってあげるべき存在だろう。韓国生活での不馴れな点や不安事を解消してあげるための処置が必要であると思っている。こうした理由でサービス可能な言語を増やすことを決定した。

Q:外国語サービスの拡充ならび定着のため、コールセンターレベルで行なっている取り組みなどあったら教えてほしい。
A:相談員の採用を特に慎重に行なった。やはり相談者本人が外国人であることから、彼らをより理解できる相談員の採用が不可欠であった。実際に外国語専門相談員の採用にあたり、既に外国語サービスを実施しているソウル市の茶山コールセンターに助言を求めた。こうして、当面の人数を合わせていくよりも、国別に現地出身の外国人やその国をよく訪れている人の中から厳選して決めた。ややもすれば外国語専門相談員の場合、その特殊な立場から、上からの統制が利かないであろうことから、予想外の事態が起こる可能性もある。中国やベトナムの場合は現地出身で韓国に長く住んでいる外国人を採用し、日本やモンゴルの場合は現地によく行く韓国人を採用した。中国とベトナムだけ現地人を採用した理由は、同じ国の人の方が彼らとの疎通がスムーズに行くと判断したため。これ以外にもそれぞれの言語別に少しずつ採用条件を変えている。しかし、韓国人への支援に対し、外国人への支援が比較的少ないことは非常に残念でならない。

Q:国人からの相談で一番多い苦情や質問はどんな内容?
A:苦情よりは生活情報に対する質問が圧倒的に多い。例えば、銀行のATMの使い方だったり、出入国関連の手続き情報だったり。多文化家庭の場合は子供の進学問題で相談を寄せてきたこともある。最近、ある日本人女性から子供の小学校の入学にてこずっているとの問い合わせがあった。実際に学校にも行ってみたが、日本語が話せる職員がおらず十分な情報が得られなかったそうだ。幸にもコールセンターの相談で適切な情報を得ることができ、子供を無事小学校へ送ることができた。一方、外国人労働者の場合は、労働問題や産業災害に対する補償問題についての質問が多い。先日はあるモンゴル人の労働者が退職金問題で問い合わせをしてきた。会社で元々約束していた退職金の半分しかあげられないと言われ、これが労働法に反しているか、労働部に問い合わせてほしいとのことだった。この件でコールセンター側から実際に労働事務所に問い合わせをし、事務所から言われた処置をモンゴル語で詳しく説明した。

Q:外国語サービスの拡充によりどんな効果を期待しているか?
A:まず、外国人が情報を得る窓口を一つにまとめたという点で、彼らの情報入手が容易になったのではないかと思う。また、多方面に渡る分野で生活に必要な便宜を得ることができ、これを通して外国人の韓国生活への適用がスムーズ化されるのではと期待している。

Q:まだ外国人の実際の利用回数が少ないと聞いた。今後の広報活動への取り組みは?
A:まず、京畿道コールセンターの広報ビデオなどを含む報道資料をメディア向けにリリースするなど、オンライン上での広報活動を進めている。また、外国人関連の機関などを実際に訪れ、コールセンター関連の説明を行ない、パンフレットを配布するなど、道内に住む外国人に積極的に知らせていくつもりだ。

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◇ 相談に応じている相談員の熱心な様子 ⓒ ユン・ソンフン記者

2007年に新設された京畿道コールセンターは、これまで積み上げてきた成果に基づき、京畿道民からの苦情や相談に対応する窓口としての役割を果たしている。今回の外国語サービスの拡充により、これまで比較的手薄であった外国人の生活便宜の向上と国内適応にも大きく貢献できることが期待される。

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◇ 京畿道コールセンター内部の壁面掲示板。相談員のレジャー活動や写真などが貼られている。ⓒ ユン・ソンフン記者

ⓒGニュースプラスニュース | 京畿道大学生記者団 ユン・ソンフン記者 eddiejones@naver.com

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