夜空の星を見上げながら本について話し合う烏山市クムドゥレ図書館

投稿日d 2014-06-24 ヒット数 399

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◇夜空の星を見上げながら本について話し合う烏山市クムドゥレ図書館 ⓒシン・スンヒ記者

「遊びながら本を読む“遊び型図書館”を聞いたことがありますか。学びのためには机に向かわなければならなかった人にとって、遊びは夢と同じです。子供の頃、学びと学習を遊びから始め、新しい習得の度に遊び学習が繰り返されたら、今頃はどうなっていたでしょうか。私たちの手にはいつも本があり、カフェと公園のベンチで読書する姿が日常化していなかったでしょうか」

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◇4月12日に開館したクムドゥレ図書館は、本と遊びながら公演も観覧し、体験する革新的な図書館だ。 ⓒシン・スンヒ記者

信じられないかもしれないが、教育・文化・体験・遊びが調和した夢のような図書館で、それも思いっきり遊びながら本を楽しめる場所がある。烏山市セマヨンロ20番地に位置するクムドゥレ図書館である。京畿道烏山市セギョ地区に4月12日に開館した体験型公共図書館「クムドゥレ図書館」は、本と遊びながら公演も観覧し、体験する革新的な図書館だ。

まず、この図書館は名前から変わっている。クムドゥレ図書館の名称は「クム(夢)+ドゥレ(~と一緒に)+図書館」を掛け合わせた言葉で、地元住民と夢を一緒に育む図書館という意味である。同図書館は運営の重点目標として「学びが幸せな教育、香りが漂う文化、遊びが楽しい体験、利用が便利な開放」を掲げている。これを基に革新教育、生涯学習、読書振興、文化講座、招待講演、公演、展示会、発表会、イベント、プロポーズ、現場学習、一泊二日読書キャンプ、読者キャンピング、自然学習場などの様々なプログラムを持続的に発掘・運営する予定だ。

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◇クムドゥレ図書館は教育・文化・体験・遊びが調和した夢のような図書館だ。 ⓒシン・スンヒ記者

 同図書館の建物は延べ面積5223平方メートルに地下1階・地上2階の独特の設計が目を引く。従来型閲覧室のスタディーホールと読書ホールはもちろん、書庫に2万5771冊の蔵書が備えられている。他にも、子ども資料室、幼児室、多目的ホール、文化講座室、屋外公演場、読書キャンピング場、自然学習場といった体験施設を持ち備えており、子どもたちに人気だ。図書館周辺に支石墓公園、体育公園、水香り樹木園などがあり、まさに遊びに適した図書館である。子どもたちは遊び場などで遊び回って、すぐに1階の子ども室に入って本を読むことができる。特に、子ども室の入り口には、土に触れながら遊んだ子どもたちが顔を洗えるように配慮した水道施設がある。また、子どもたちが本を借りる場合、通帳に図書名を印字し、読書への興味を喚起する。

同図書館は「家庭の月」といわれる5月を迎え、家族や友だちと一緒に参加できる一泊二日の読書キャンプを開く。地下の多目的室と1階の子ども室で毎週金~土曜日午後7時から翌日午前7時まで行われる。このプログラムは、図書館の利用案内や読書クイズ、ゲーム、お菓子ハウスづくり、自由読書、映画鑑賞など、子どもの夢を膨らませてくれる内容となっている。

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◇読書キャンピング場は週2回金・土曜日午後4時から翌日11時まで運営される。 ⓒシン・スンヒ記者

全国で初めて図書館に設置された読書キャンピング場は、まさにファンタスティックである。家族と一緒に図書館で徹夜して本を読んだり、月と星を見ながら気持ちを分かち合ったり、思い出をつくったりできる幸せな空間だ。4月18日から始まった読書キャンピング場は、週2回金・土曜日午後4時から翌日11時まで運営される。キャンピング場はヒーティングパッドが用意された宿所棟と、テントを張る平床が設置された4つの棟で構成されている。利用条件は、烏山市図書館の会員で小中学生の子ども連れの家族。退所するときは子どもと一緒に読書感想文を提出しなければならない。5月の利用者は4月27~29日の先着順予約で、1回4チームの計40チームを受付完了した。

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◇4月25日に101棟のスイセンに入所したソ・ジュヨンさん。「子どもと一緒に本を読んだり、夜空の星を見上げたりしながら、いろいろ話し合って楽しい思い出を作ってあげたいです」 ⓒシン・スンヒ記者

4月25日午後6時半。烏山小学校の教師であるソ・ジュヨンさんは、小4の娘パク・チャンミちゃんと7歳の息子パク・チュノ君を連れて101棟スイセンに入所した。ソさんは夫が仕事でまだ来ていない間、平床に荷物を下ろして子どもたちと一緒に夕食の支度をした。ソさんは「開館式に来たときに偶然に読書キャンピング場を知って申し込んだけど、運良く当選しました。 子どもと一緒に本を読んだり、夜空の星を見上げたりしながら、いろいろ話し合って楽しい思い出を作ってあげたいです」と話す。

一方、自然学習場も子どもたちの人気を博す見通しだ。自然学習場は、保育施設の幼児たちが野菜や花などを直接育て、自然の大切さや情緒を養う体験学習空間。3~5歳(10~20人)の幼児が通う烏山市内の保育所、幼稚園など保育施設から9チームを先着順で選定し、5月から11月まで運営する。保育施設側は種と苗木を用意し、耕作道具は自然学習場に配備される。幼児たちは週1回訪れ、自ら育てた野菜や花を見て手入れをし、読書遊びをすることができる。同図書館は館内の遊休施設や空間を全て開放し、町内会やサークル活動などに活用できる開放図書館を目指す。毎月第3週月曜日は休館。地下鉄でセマ駅から10分、バスでセマ中高校下車で2分かかる。一方、4月16日のセウォル号沈没事故により、5月初めは一部の公演と読書キャンプが打ち消しとなった。

●インタビュー:キム・ジャンファン烏山市中央図書館長

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◇キム・ジャンファン烏山市中央図書館長 ⓒ烏山市中央図書館

「平均年齢33.9歳の烏山市は京畿道で最も若い都市で、教育と保育に重点を置いた市政を行っています。クムドゥレ図書館はこれに歩調を合わせ、市民が図書館でゆったりとくつろげ、本とともに体験して幸せな時間を過ごせるよう、工夫を重ねて生まれました」

キム氏は図書館の一風変わった風景について「教育と保育」を強調した結果だと説明した。実際、図書館の内装と外観は普通の図書館と違う。所々に独特のアイディアが生かされており、見れば見るほど興味深い。まだ蔵書はそう多くないが、詰まった図書館ではなく、詰めていく図書館を目指している。図書館の「自由書架」は、市民の寄贈で本を詰めていく空間だ。

自由な寄贈と気軽な利用に向け、手続きは簡素化した。こうした取り組みが読書の創造力を育む力になる。キム氏は「学校や集合住宅、ママパパや親御さんが集まるカフェなど若者の多い場所で蔵書寄贈をPRし、効果を挙げています。開館から2週間経った現在、約1千冊の本が寄贈されました。市民と一緒に本を詰めていくストーリーを生み出していきたいです。10年後、20年後は夢とストーリーが完成するクムドゥレ図書館になっているでしょう」と、自信に満ちていた。

キム氏はこの変わった寄贈アイディアの背景について「図書館は本を借りる場所という固定観念から抜け出し、図書館をいつでも本を交換できるマーケットのような場所にしたかった。読み終わった本を図書館に寄贈し、読みたい本を自由に持ち帰って読む自由書架制です。返却日が決まっている他の図書館の仕組みとは違って何の負担もないから、より市民に親しまれると思います」と語る。

図書館には様々なプログラムが用意されている。キム氏はこの中で「パパと一緒に一泊二日読書キャンプ」に期待をかけている。最初はぎこちなかった親子が、プログラムが進むほど親密になり、たくさん話し合いながら互いのことを知り合っていく姿がとても素敵だったとか。涙がじんと滲むほど感動したこともあったと囁く。

「読書感想文活動とゲームなどが終わり、後書きを書く時間になると、日頃は言えなかったことを正直に書いています。それを見るとじんと来ますね。夜がふけると、もっと本を読もうとねだる子どもと、そろそろ寝ようというパパのもめ合いに笑ってしまいます。とて幸せなケンカですよね」

ⓒ京畿Gニュース | パク・クァンシク記者

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