金知事、国立劇場で舞台初出演

投稿日d 2012-12-11 ヒット数 383

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金知事、立劇場で舞台初出演
(2012.11.26)

金文洙知事「今度またやってみたいとは思うが、機会が来るかは分からない」
 
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◇ 金知事は25日午後5時、ソウル国立劇場タルオルムで開かれた「秋史、デジログ」で、晩年の秋史役で特別出演した。ⓒ Gニュースプラス ホ・ソンリャン
 
金文洙(キム・ムンス)京畿道知事が朝鮮後期の代表的な文人「秋史(チュサ)・金正喜(キム・ジョンヒ)」に扮し、会場を沸かせた。金知事は25日午後5時、ソウル国立劇場タルオルムで行なわれた「秋史、デジログ」に晩年の秋史役を演じる俳優として特別出演した。
 
この公演は秋史の作品を伝統音楽や踊り、最先端映像を組合せ表現した作品だ。アナログ的な要素と3D先端映像のデジタル機器が合わさり、絶妙なハーモニーを演出する。ハンムェ国楽芸術団で2006年から行なわれてきたこの公演は、今回が8回目の舞台であり、今回、金知事をキャストとして迎えたという点で、そのユニークな企画が注目を浴びた。

金知事は公演が始まる前、着替えとリハーサルを行いながら、役者になりきっていった。「歳寒図(セハンド)」の跋文の朗読を練習しながら、声の出し方や視線の方向、歩き方などについてオ・ウンミョン団長など周辺の関係者から指導を受けた。ぎっしり詰まった道政スケジュールのため、本格的な演技の練習が半日しかできなかったにも関わらず、役者に負けないほどの立派な演技ぶりで周りを驚かせた。
 
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◇ 金文洙知事が公演を終え、参加俳優らと一緒に観客にあいさつをしている。ⓒ Gニュースプラス ホ・ソンリャン
 
年老いた秋史、金正喜の姿が暗闇の中から現われる。低く物悲しい韓国伝統音楽のメロディーが鳴り響き、1分ほどの静寂が会場を包み込む。かすかに聞こえる風の音色が済州の海辺を思い起こさせる。
 
「海を渡り、憔悴しきった明るい月夜…愛しい弟子、藕船(ウソン)よ。おまえは去年も今年も貴重な本を私に送ってくれたな。千里万里、はるか遠い場所で、この貴い本を私のために手にいれてくれた。寒くなって初めて松の木が枯れないことを知ると言っていたな。太師公(テサゴン)曰く、権勢や利益で出会った者は、権勢や利益が尽きると、お互い敬遠するようになっているという(後略)」

厚化粧のせいで、普段の顔とは全く違った装いに、網巾(まんごん)とトゥルマギ(上着)を着た朝鮮時代の学者の姿が以外に似合っている。朗読の前に、舞台に上がり、最初に発した咳払いは、長年役者を続けてきた俳優にも勝る渋みがあった。また、金知事の声は秋史に似た覇気と男性らしさを持つ一方で、配流の身に置かれた切なさと孤独感を切々に現わしていた。
 
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◇ 秋史・金正喜の物寂しい晩年の姿をリアルに表現している。ⓒ Gニュースプラス ホ・ソンリャン
 
金知事の俳優登用は大成功に終わった。これは客席を埋めつくした観客の反応からも一目瞭然のことだった。キム・ミジン(34,ソウル)氏は「初めての演技だったので、失敗してしまうこともあるだろうに、一度も失敗しなかった。特に金文洙知事特有の濁音が役どころにぴったりだった」と称賛した。

金知事はこのような反応に対し、「緊張したというよりは初めてのことで、むしろ果敢に演じることができた」とし、「意味もあることなので、また再チャレンジしたいとは思うが、このような機会がまた来るかどうかは分からない」と次作への期待感を示した。
 
舞台に立った金知事は秋史の弟子、藕船(ウソン)・李尙迪(イ・サンジョク)に宛てた手紙である「歳寒図」の跋文を朗読した。「歳寒図」は秋史・金正喜が済州島で流刑生活を送る自分をいつも気にかける愛弟子に対するお礼に描いた作品である。金知事は7幕の公演のうち第5幕「いつまでも忘れられない人々-歳寒図」で5分ほどの朗読と演技を披露した。
 
第5幕は、寂しく物悲しい済州島での生活で、妻の死を後から知った秋史がスイセンの花で心を癒し、悲しい心を詩でまぎらわした感傷的な姿が描かれている。また、高慢なだけの権勢や利益を自ら脱ぎ去った弟子、李尙迪のために描いた歳寒図の意味が切ない余韻を残す。
 
「歳寒図」は秋史が愛弟子、李尙迪のために描いた絵で、学者が描いた文人画の代表的な作品として高く評価され、国宝180号に指定されている。通訳官であった李尙迪は中国に使節として行く度に、新しい書籍を購入し、済州島にいる秋史に送った。「歳寒図」の跋文は、絵の横に添えられた手紙で、これには、弟子への感謝の気持ちが込められている。
 
秋史・金正喜は、時代を超越した突出した芸術力を持つ天才作家だ。文字を絵に、絵を文字に変え、「伝統の書」に関する芸術分野を発展させた。
 
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◇ 金知事の特有の濁音が舞台の雰囲気にぴったりⓒ Gニュースプラス ホ・ソンリャン
 
金知事は「朝鮮時代、気高い学者としての生活を送った秋史先生を想いながら、権勢や利益に縛られるのではなく、人間関係における信頼と想いの重要性を見直す、そんな機会になった」と初出演の感想を述べた。
また「舞台の練習をしながら秋史先生についてもう一度見直すようになった」とし、「歳寒図が持つ深い意味について、本当の信頼関係がどういうものであるかを再認識する良い機会となった」と述べた。

ハンムェ国楽芸術団は韓国の伝統文化や芸術性をはじめ、韓国の伝統創作舞踊の研究、発展に努める団体だ。1997年の設立以来、「筆千本、すずり10個」、「いつも青い松」などの作品を通して、秋史の作品世界を大衆化させてきた。
 
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