世界中を揺るがした4万5千人のアリラン
(2012.06.03)

2日「アリランアラリヨフェスティバル」成功裏に閉幕

◇ 3千人の出演者を含む4万5千人余りの観衆が皆で「アリラン」を歌っている。ⓒ Gニュースプラス　ホ・ソンリャン

韓国の魂が宿る国民的民謡「アリラン」が2日、水原ワールドカップ競技場で4万5千人余りの群衆により競技場いっぱいに鳴り響いた。

この日、アリランを世界ユネスコに韓国の無形文化財として登録するために企画された「アリランアラリヨフェスティバル」が行なわれた。

「アリランアラリヨフェスティバル」は昨年行なわれた「天地振動フェスティバル」の第2弾として今年11月、スペインのグラナダで開催される世界ユネスコの審査の際に、アリランに対する思いや取り組み、保存･継承していこうとする意志をアピールするため企画された。なお、今回のイベントは、京畿道と京畿道文化の殿堂、水原市、(財)京畿道水原ワールドカップ競技場管理財団などが主管、文化体育観光部、KBS、ダウムコミュニケーションズなどの後援により行なわれた。

フェスティバルには、金文洙(キム･ムンス)京畿道知事、金振杓(キム･ジンピョ)、南景弼(ナム･ギョンピル)、李燦烈(イ･チャニョル)、申長容(シン･ジャンヨン)国会議員、許載顔(ホ･ジェアン)道議会議長、金光會(キム･グァンフェ)道議会文化観光委員長、廉泰英(ヨム･テヨン)水原市長、カン･ギョンリャン京畿警察庁長、チョ･ジェヒョン京畿道文化の殿堂理事長を含む政治･文化界の関係者約500人がアリランを守る会の一員として参席した。

また、フランスを含む21ヶ国の外国視察団100人、農楽演奏者1200人、連合合唱団1000人、軍楽隊･軍人1200人、150人の京畿道立国楽団と京畿道立舞踊団などを含む観衆4万5千人余りが会場を盛り上げた。

◇ 水原ワールドカップ競技場に入場する農楽演奏者ら ⓒ Gニュースプラス　ホ･ソンリャン

◇ 太鼓を鳴らす金文洙京畿道知事 ⓒ Gニュースプラス ホ･ソンリャン

夕方7時に始まった「アリランアラリヨフェスティバル」の会場は、イベントが始まる何時間も前から席を確保する人たちでごった返した。

オープニングセレモニーでは、フラッシュモブ(事前にメッセージを受け、約束された行為を行なうこと)や応援団、外交視察団の入場に続き、3グループに分かれてサムルノリ演奏団が入場、4拍子のアリランを演奏する「キルノリ(道遊び)」が披露された。さらに、サムルノリ演奏団の入場に合わせて「昔から歌われ続けるアリランは、我々の歴史であり、思いであり、魂であります」と書かれた垂れ幕がスタンドに掲げられた瞬間、4万5千人の群衆による大歓声があがった。

大会は「喜怒哀楽」をテーマに4シーンで構成された。司会はお笑い芸人のソ･ギョンソク氏が担当。第1章「喜」はキムドクス氏の先唱に続き旌善(チョンソン)アリラン、ホルロアリラン、フィモリアリラン、江原道アリラン、チャクスェ、4拍子アリランの順に演奏が行なわれた。さらにサムルノリ演奏団と舞踊団が登場、「祈願のパフォーマンス」を披露し、続いて声楽家の金東圭(キム･ドンギュ)氏によるホルロアリランが響き渡った。

第2章「怒」では尙州(サンジュ)アリランを筆頭に陽山道(ヤンサンド)･密陽(ミリャン)アリラン･嶺南(ヨンナム)カラク･4拍子アリランの順に演奏が行なわれた。アリランが会場いっぱいに響き渡る度にスタンドでは軍人たちにより高々と持ち上げられた横断幕が見事な光景を演出した。

第3章「哀」では、月山歌(ウォルサンガ)･チョクチョギ･ドロンゲンイ･クアリラン･海州(ヘジュ)アリラン･珍島(チンド)アリランが演奏された。あまり馴染みのないチョクチョギやドロンゲンイはサムルノリの演奏法の一つだという。クアリランが始まると第3章「哀」のハイライトである舞踊団の公演が始まった。観覧に来た外国の視察団一行は、韓国の伝統農楽のサムルノリとアリラン、舞踊が一つになる盛大なステージを食い入るように見つめながら拍手を送った。

第4章「楽」では「世界のアリラン」をテーマにボレロアリラン･ドンサルプリアリラン･4拍子アリラン、口音アリラン合唱の「オーアリラン」･パングッの順に演奏が行なわれた。

4万5千人の観衆は第1章「喜」で、4拍子アリランが終わった後「大韓民国」の掛け声を一斉に叫び始めた。その様子を見ていた外国視察団は大きな拍手を送り「アリラン」と「大韓民国」を一緒に唱えた。

◇ この日の公演の様子。ⓒ Gニュースプラス ホ･ソンリャン

◇ 農楽演奏団による公演。ⓒ Gニュースプラス ホ･ソンリャン

1時間30分に渡り行なわれた「アリランアラリヨフェスティバル」は昨年、韓国ギネスブックの認証を受けた「天地振動フェスティバル」よりも規模が大きく、参加率も高かった。スタンドの随所には国旗がはためき、ノリの良いサムルノリとアリランが一つになった和合の場が演出された。

水原から家族で参加したソン･ヒョンス(41)さんは「何日か前にフェスティバルのことを聞き、休日だったこともあって参加した」とし、「大勢でアリランを歌っていると愛国心も湧いたし、子供たちの教育にも非常に良かったと思うし、来て良かった」と語った。

またカナダから来た外国語教師のデイビッド(35)さんは「韓国人の情熱に驚かされた」とし、「元々サムルノリに興味があったが、今回のイベントで、アリランに対しても興味を持つようになった」と語った。

彼と一緒に来ていたジョン･ユ(31)さんは「幼い頃カナダに渡り、ずっとカナダで生活してきたが、今日のように私が韓国人であることを誇りに感じたことはない」とし、「韓国のアリランが守られることを願う」と語った。

今回のフェスティバルは世界中の人々が公演を楽しめるよう、ユーチューブ、ユーストリーム、アフリカTV、ダウムTVポットで生中継された。

◇ 自主的に参加した「アリランを守る会」の人たちが国旗を振っている。ⓒ Gニュースプラス　ホ･ソンリャン

◇ 「アリラン」とサムルノリ公演を観覧する外国視察団一行。ⓒ Gニュースプラス　ホ･ソンリャン

金文洙知事は「我々のアリランは第2の国歌である」とし、「今後、我々のアリランを守るために企画されたフェスティバルをはじめ、国民みんなで愛国心をもって我が国の大切な宝物を守っていく努力を続けていかなければならない」と語った。

ソ･ギョンドク広報企画監督は「非常に感慨深い。4万5千人が心を一つに合わせてアリランを歌う、このような機会が作られたことだけでも十分な広報効果が期待できるのでは」とし、「今後も『アリランアラリヨフェスティバル』の全シーンを動画で制作し、7月からニューヨークタイムズスクウェアで広報していく予定だ」と述べた。

チョ･ジェヒョン京畿道文化の殿堂理事長は「我々の趣旨を知り、自主的に参加してくれた多くの人々に感謝したい。アリランによって世代や階層の壁が壊され、和合し一つになったという点で本当の意味での団結が実現したのでは」とし、「心を一つにしたパフォーマンスで、現在喪失の危機に直面しているアリランを我々自らが守っていきたい」と語った。

◇ 大会の打ち上げイベントで公演の出演者たちと一緒に喜ぶ金知事。ⓒ Gニュースプラス　ホ･ソンリャン

今回のフェスティバル開催は昨年6月、中国が東北工程の一環としてアリランを中国の無形文化財に登録したことに加え、世界ユネスコ無形文化財に中国の遺産として登録しようとしたことが発端となり企画された。

現在、韓国は無形文化財管理法を改正し、アリランの無形文化財登録を進めており、既に世界ユネスコにアリランを韓国の文化財としての登録申請を済ませている。

「アリランアラリヨフェスティバル」に合わせて京畿道無形文化財保有者による公演や作品を見ることのできる2012年道指定無形文化財公開イベント「京畿無形文化財祭り」が2～3日にかけて水原ワールドカップ競技場野外ステージで開催される。

◇ この日の公演に参加した子供農楽団員。ⓒ Gニュースプラス　ホ･ソンリャン

ⓒGニュースプラスニュース | イ･ムセジン sejeenee@kg21.net

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