[ユニークな博物館を訪ねて⑨]陶磁博物館
投稿日d 2012-04-02 ヒット数 536
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[ユニークな博物館を訪ねて⑨]陶磁博物館
(2012.03.19)
開館11年目・・・陶磁の文化と歴史を網羅する
朝鮮時代500年間、王室用陶磁器を生産してきた官窯(分院)の要所、京畿道広州(クァンジュ)には京畿陶磁博物館というユニークな博物館がある。今年で開館11年目を迎える京畿陶磁博物館は、2001年世界陶磁器エキスポの開催に伴い建設された朝鮮官窯博物館から始まり、2008年名称を変え、新しい飛躍を目指す韓国国内最大の陶磁専門博物館となった。
伝統と歴史に基づいた博物館
分院とは、王室や宮殿に必要な食材を取り扱う朝鮮時代の中央官庁「司饔院(サオンウォン)」の分院を意味し、その食事のお皿に使う白磁を焼くため、京畿道広州に設置された白磁燔造所を言う。
15世紀後半に初めて設置され、民営化される1883年まで、朝鮮の王室官窯としての立場を確立してきた分院は、約10年を目処に広州内の蒔き木が生い茂る場所を転々とし、ついに英祖(ヨンジョ)28年(1752年)、現在の南終面(ナムジョンミョン)分院里(ブノンリ)に定着するようになった。広州は朝鮮の悠久なる500年の歴史と共に朝鮮白磁を次々に生み出した、朝鮮王室が誇る官窯として歴史に記録されている。
現在、広州市にある6つの面と30の里には340ヶ所以上の窯跡遺跡が残されており、国家史跡第314号に指定、保護されている。特に朝鮮王朝の最後の窯跡遺跡が残されている南終面分院里には分院白磁資料館が建設され、埋葬された窯跡遺跡と白磁破片の遺跡などが保存されている。なお、発掘された遺物は、分析を通して朝鮮時代の王室官窯である司饔院分院の歴史と朝鮮白磁の価値を伺い知るための史料として活用されている。
韓国最大の陶磁専門博物館
陶磁博物館は韓国の陶磁文化と造形への思いを継承し、新しい伝統を生み出すことを目標に様々な活動を展開している。
韓国陶磁器の誕生から現代に至るまでの職人たちの芸術性や優れた工芸技術が伺える重要遺物や作品を収集・展示すると共に、地道な文化財の調査と学術研究を並行しながら、世界規模の展示会や学術大会を開催することで、陶磁文化研究の中心的役割を果たしてきた。
また、教養講座や体験プログラムを開設し、一般の人々にも陶磁文化を広く知ってもらうための機会を提供している。
展示
陶磁博物館を訪れた人々は、1階の常設展示場「陶磁文化室」で陶磁の概念や歴史、制作技法などについて詳しく知り、陶磁文化への理解を深めることができる。また2階の展示室では、博物館の所蔵品が展示された常設展示を通して、韓国の名品陶磁遺物を鑑賞したり、20世紀から現代までの陶磁文化の様子を伺うことができる。
文化財調査研究および学術セミナー
韓国の陶磁文化についての研究活動として、文献資料の研究に加え、陶磁窯跡の考古学的地表調査および発掘調査が進められている。陶磁窯跡専門発掘機関としての活発な活動を通して蓄積された調査成果は各種報告書として公開されており、実際の調査資料による研究成果は学術セミナーを通じて陶磁史学界や考古学界に発表されている。今年で10回目を迎える京畿陶磁学術セミナーは、専門家および研究者らが最新の研究動向を共有する場であり、毎年12月に開催される。
教育プログラム
陶磁専門博物館は教育プログラムも非常に充実している。博物館が制作した学習ノートを持って展示場を回りながら陶磁についての基本的な知識を習得したり、画用紙に好きな絵を描いてオリジナルのマグカップを作る「オリジナルマグカップづくり」イベント、PS版で陶磁の形や模様を応用した「キーホルダーづくり」などの体験イベントなどが人気だ。
冬季期間中、しばらく中断されていた京畿陶磁博物館の体験教育プログラムは4月以降から再開される予定にあり、詳しい日程とプログラム内容はホームページで確認することができる。
昆池岩(コンジアム)陶磁公園
博物館は分院白磁窯跡を中心に広州の地域性と朝鮮時代の陶磁文化を混合させ、博物館一帯を昆池岩陶磁公園として活用する計画を立てている。伝統と歴史に基づいた広州昆池岩の陶磁公園テーマパークが完成すれば、京畿道東南部地域には驪州(ヨジュ)陶磁の里、利川(イチョン)セラピアを結ぶ陶磁観光クラスターが形成されるようになる。
昆池岩陶磁公園の第1段階目の公開は今年7月に行なわれる予定だ。博物館敷地内の広州三里(サムリ)旧石器遺跡を整備し、旧石器先史文化展示室を開館、旧石器体験プログラムを実施していく予定だ。
韓半島中部地域の重要旧石器遺跡に数えられる三里旧石器遺跡を中心に、旧石器時代の道具の発達や遺跡分布に関する資料が展示され、皮革服づくり、狩り体験、洞窟壁画描きなどを体験することができる。
また、昆池岩陶磁公園はすでに整備が終了している野外彫刻公園と自然生態園を増設し、自然と歴史と芸術が共存するテーマ空間の建設を目指していく方針だ。自然の敷地を最大限に活用し、平地と坂道がバランス良く整備され、散策路と彫刻公園が調和しただだっ広い空間の中で陶磁器をテーマに歴史と現代が出会う場所、それが昆池岩陶磁公園の主要コンセプトなのだ。
京畿陶磁博物館は京畿道広州市昆池岩邑三里72ー1番地にあり、入場時間は午前9時から午後6時まで、休館日は毎週月曜日だ。入場料は無料。詳しい内容は京畿陶磁博物館ホームページ(www.ggcm.or.kr)で確認するか031-799-1500に問い合わせてみよう。
お問い合わせ 広報担当 8008-2688
http://gnews.gg.go.kr/briefing/brief_gongbo_view.asp?BS_CODE=S017&number=14110
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