世界初、軟骨細胞由来の生体素材開発に成功

投稿日d 2008-12-04 ヒット数 5184

コンテンツ

– 次世代成長エンジンとして組織の再生能力に優れたオリジナル素材を開発 

知識経済部と京畿道が2005年からサポートしている次世代成長エンジン事業の「細胞治療剤製造技術の開発」において、世界で初めて組織の再生を促す軟骨細胞を活用した生体素材開発の商用化に成功した。 

この研究開発は、亜洲大学校・医科大学・細胞治療センターのミン・ビョンヒョン教授チームによるもので、知識経済部を中心に京畿道が支援、リジェンプライム (株)が技術移転して9月から食品医薬品安全庁の臨床テスト許可を得て産業化が進められていた。 

近年、肝細胞や組織工学などによる難病疾患の治療に関する研究が活発に行われているが、細胞治療剤を開発するためには治療用細胞の機能アップ、品質管理、生産工程の確立など、様々な基盤技術の開発が欠かせない。しかし、それに対する体系的な研究開発はまだ不十分なのが現状である。 

ミン教授チームが進めている「細胞治療剤製造技術の開発」事業は、その必要性から2005年知識経済部の次世代成長エンジン課題として選ばれ、研究が進められているものである。 

京畿道は道内の医療・バイオ産業の育成に向けた細胞治療剤の商用化技術開発に対して、2005年から毎年4億ウォン相当の研究費を支援しており、5年間総額20億ウォンを支援する方針だ。 

アーティフィルムと名づけられた軟骨再生のための生体膜は、フィルムの形をしたもので組織再生能力に優れており、細胞が完璧に取り除かれるため、免疫拒否反応は一切ないという。 

また、この生体膜は軟骨組織との適合性にも優れており、かなり薄いため関節内の移植も容易である。そのため、骨髄刺激術、肝細胞移植術といった軟骨再生手術と同時に行う場合、その成功確率が極めて高いという。 

特に、この生体素材は再発を何回も経験している翼状片患者の再発防止に効果的で、結膜や角膜再生用としても開発される可能性が高く、骨やヘルニアなどの再生にも効果があることが分かった。関節軟骨や皮膚、角膜、結膜、ヘルニア、心臓疾患などの組織再生にも用いられるなど、その適用によって多種多様に活用できるため、産業への波及効果も大きいものと思われる。 

ミン教授チームは、現在この生体素材の細胞適合性及び最適化研究を進めており、研究が終了する2009年まで、関節軟骨細胞と肝細胞の移植に使われる細胞伝達体の開発を終了する計画だ。この生体素材が主に適用される「関節炎」関連の国内市場規模は4000億ウォン、世界市場規模は1190億ドルに達するものと見込まれている。