仏セバスチャン・コル、コリアマッチカップ世界ヨット大会優勝

投稿日d 2008-06-27 ヒット数 5233

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-15日の決勝戦で、英イアン・ウィリアムズを3対1で制圧 
-アダム・ミノプリオ、ヤスパー・レディックなど、新鋭の活躍が目立つ 
-セバスチャン・コル、ジョンゴク港競技場や京畿道製造の競争用ヨットにも大満足
 

6月11日から15日まで京畿道・ジョンゴク港で開かれた「2008ワールドマッチレーシングツアー(WMRT)」のコリアマッチカップが閉幕した。世界トップランカーが総出で出場した同大会では、世界ランキング1位のイアン・ウィリアムズ(Ian Williams、Team Pindar)を押しのけて、フランスのセバスチャン・コルがトップの座を獲得した。 

3億ウォンという史上最高の賞金が掲げられた同大会には、前シーズン10位圏内の選手が8人も出場するなど、かつてない激しい競争が繰り広げられるものと予想されていた。第1回コリアマッチカップは、逆転と反転を繰り返しながら期待以上のナイスゲームとなり、マッチレーシングを初観戦する人々をもハラハラさせた。 

世界トップの座を獲得したセバスチャン・コル 
本大会で優勝したフランスのセバスチャン・コル(Sébastien Col、K Challenge/French Match Racing Team)は、先のシーズンでは6位の成績を記録したため、トップランカーが多く参加する本大会の有力優勝候補としては挙げられなかった。本大会直前に開かれたドイツカップでも6位にとどまり、本大会では準決勝進出が精一杯という感じだった。 

しかし、コルは8勝3敗の好成績で予選を2位でクリアし、準々決勝では多くの期待を集めていた新鋭のオーストラリア選手トーバー・ミルスキー(Torvar Mirsky)を2対1で制し、準決勝では北ヨーロッパの強豪デンマークのヤスパーレディック(Jesper Radich)を3対1で勝ち決勝に進出した。現在、世界ランキング1位のイアン・ウィリアムズまで押しのけたセバスチャン・コルは、今シーズン2連覇を狙うイアン・ウィリアムズの最も手強いライバルとして注目を集めている。 

一方、今シーズンでも中間成績第1位を維持している世界ランキング1位のイアン・ウィリアムズは、予選ラウンドで日本の坂本亘(Wataru Sakamoto、Siesta Team)選手に敗北するなど、意外の成績で不安定なスタートを切ったが、準々決勝と準決勝を順調に勝ち進み、「やはりイアン!」と賞賛された。特にニュージーランドのアダム・ミノプリオ(Adam Minoprio、Emirates Team New Zealand/BlackMatch Racing)と戦った準決勝戦は、本大会最高の名勝負であった。最後の5回戦まで続いた準決勝戦でイアン・ウィリアムズは、ペナルティーまで受けたにもかかわらず、最後まで落ち着きを失わず、新鋭のアダム・ミノプリオを3対2で制した。準優勝にとどまったものの今シーズン中間成績第1位を堅持しているイアン・ウィリアムズは、2年連続のチャンピオン獲得を目指し、順調に勝ち進んでいる。 

新鋭たちの反乱、アダム・ミノプリオとトーバー・ミルスキー 
ニュージーランドのアダム・ミノプリオ(Adam Minoprio)は、一段と向上した実力を本大会で思う存分アピールし、WMRTの世代交代を予告した。最近WMRTランキング34位を記録したアダム選手は、予選試合の時から本大会決勝に進出したイアン・ウィリアムズと、先のシーズンランキング2位のパオロ・シアン(Paolo Cian)を制覇し波乱を起こした。特に、準々決勝では予選成績1位のマチュー・リチャード(French Match Racing Team)を2対0で制圧し、大会最大の異変を起こした。準決勝戦でイアンに敗北したものの最後までイアンを苦しめ、ワールドマッチレーシングツアーの有望主として脚光を浴びた。 

一方、オーストラリアのトーバー・ミルスキー(Tovar Mirsky、Mirsky Racing Team)も新鋭突風を巻き起こした。本大会最年少出場選手である彼は、予選試合でトップランカーらを次々に制覇し、7勝4敗の成績をもって準々決勝に進んだ。この準々決勝戦で惜しくもセバスチャン・コル(Sébastien Col)に負けたが最終戦までコルを圧迫、順々決勝戦最高の熱戦を繰り広げた。特に少年期から自分の憧れでありメンターでもあったオーストラリアの生きる伝説「ピーター・ギルモーア(Peter Gilmour、Team PST)を押しのけ、大きな話題となった。 

アジア、将来に希望を見る 
本大会には、アジア予選試合から選ばれた日本の坂本亘(Wataru Sakamoto)と、韓国予選試合から選ばれたイム・スンチョル選手がアジアを代表し出場した。最終結果は予選脱落だったが、日本の坂本選手は世界ランキング1位のイアン・ウィリアムズを制するなど、トップランカーを相手に好勝負を演じた。しかし、ワールドマッチレーシングツアー初出場の韓国のイム・スンチョル選手は全敗となり、世界との格差を実感させた。