(韓流ウッド造成計画) 孫鶴圭(ソン・ハクキュ) 京畿道知事のスピーチ
投稿日d 2005-02-01 ヒット数 7506
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■ご挨拶
本日、このようにソウル外信記者クラブの会員の皆様の前でお話できる機会を頂きまして、まことに嬉しく思っております。
韓国の真の姿を世界に迅速かつ正確に伝えるために出席いただきました皆様に敬意を表し、ソン・ジエ会長をはじめとする役員の皆様に心から感謝申し上げます。
■大韓民国の地位と京畿道の役割
尊敬する外信記者クラブの会員の皆様。
私は、1月12日から10日間、京畿道先端外投企業誘致団とともに、欧州5カ国を訪問してまいりました。道知事に就任して以来、8回目の海外企業誘致のための外国訪問でしたが、今回の訪問はヨーロッパの先端技術と産業を誘致したという点で、特別な意味を持っていると考えております。
今回の訪問で、2億2千万ドルの投資協約を締結し、4億5千万ドル規模の投資誘致の商談がまとまり、約9千人に上る新規雇用が創出されるものと期待しております。
世界的な企業がなぜ京畿道に投資しようとしているのか疑問に思っていらっしゃる方も多いようですが、実は、その理由は簡単です。
それは、正に、世界経済のネットワークのなかで韓国の占めている位置のためです。
中国と日本をつなぐ北東アジアの中心という地理的利点とITなどの先端技術分野でダイナミックな成長を続けているという点が大きな魅力となっているのです。
特に京畿道は、韓国で最大の自治体で、サムスン、ヒュンデ、LGのような世界的な企業が位置しており、クリエイティブで熱心に働く優秀な人的資源を有しています。
現在、京畿道の地域経済は、全国GDPの4分の1を占めており、知識基盤製造業においては、その割合が40%に達する、名実相伴う韓国経済の心臓部です。
私が知事に就任してから、これまで、120億ドルを超える先端外国企業の投資を誘致できた原動力は、「スピード・自律・柔軟な行政」で表現される顧客本位の行政サービスと労使協調であります。
冬に凍りついた地面を融かして文化財を発掘し、坡州(パジュ)LCD産業団地の造成期間を1年6ヶ月も短縮させました。また、「地面スワッピング」と呼ばれる新しい技術で日本の住友化学の敷地問題を解決し、さらに、全関連機関の協力の下で最大限迅速に米デルファイ社の進入路を開設しました。
外資誘致の過程で、京畿道の労働界の指導者と同行することで、韓国の過激な労組というイメージを払拭し、外国企業に対し、安定した労使関係という信頼感を与えました。
今では、韓国労総も外投企業誘致に積極的に取り組むという立場を表明するなど、京畿道の政労使協力が韓国型社会協約のモデルとして次第に広まっております。
尊敬する外信記者クラブの会員の皆様。
海外の先端企業の投資が相次ぎ、京畿道には坡州(パジュ)-水原(スウォン)-平澤(ピョンテク)に及ぶ世界的規模のIT-LCDクラスターが形成されています。
今年は、IT分野はもちろん、バイオ・ナノ分野のグローバルR&Dセンターの誘致に注力する計画です。
これにより、板橋(パンギョ)ー盆唐(プンダン)ー龍仁(ヨンイン)ー水原(スウォン)と続くバイオ及びITのR&Dを構築し、忠清地域とともに自動車、IT、半導体、LCDに至る超広域クラスターを育成、日々グローバル化が進む世界経済の流れに積極的に対応して参ります。
■北朝鮮の開放化、グローバル化を誘導
ご列席の皆様。
今年は乙巳条約100年、光復(日本からの独立)60周年を迎る意義深い年であります。今年こそは、韓国民族が分断の傷を癒し、統一に向かう、真の意味での光復を準備する年にしていかなければなりません。
開城(ケソン)工業団地の本格的な稼働と本年6月の坡州LG-PhillipsLCD産業団地の竣工を機に、坡州付近に大規模な南北交流協力団地を造成し、自由路の拡張をはじめとする物流インフラの拡充に取り組む計画です。
同時に、年頭の記者会見を通じて北朝鮮に提案している「南北合弁農場事業」が早期に推進されるよう、最善を尽くす考えです。
北朝鮮と隣接している隣人として、京畿道は、地方政府レベルで可能なあらゆる努力と投資を通じて、北朝鮮の開放化、グローバル化を支援し、統一の前進基地としての役割をきちんと果たしてまいります。
■21世紀 大韓民國の新しい希望:東アジアの文化のハブ
尊敬する外信記者クラブの会員の皆様。
昨年、韓国は政治的、経済的、社会的に厳しい時期にありながらも一筋の明るい希望の光を見出しました。それは、外ならぬ「韓流ブーム」です。90年代末、中国の東北3省で形成された韓流は、東南アジアへと拡散し、昨年日本で「冬のソナタ」の「ヨン様ブーム」につながり、いつのまにか東アジア一帯の中核的な文化コードとして浮上しました。
ドラマと大衆音楽から始まった韓流は、いまでは映画やゲームはもちろん、音楽やファッションなど、大衆文化の全般に広がっており、これによってアピールされた韓国の新しいイメージは、韓国商品の購買と観光の増加につながり、韓国の産業と観光の地図を変えています。
東アジアの若者たちの大衆文化として定着している韓流ブームは、冷戦時代の交流の断絶による韓国と中国の心理的壁を取り払い、韓国とベトナムの間に残っていた戦争の傷を癒し、台湾との国交断絶によってもたらされたしこりを解消しました。
それだけでなく、もっとも近くて遠い国であった韓日両国の若者を一つにし、数十年間の外交と数千人の外交官でも成し遂げられなかった奇跡を実現しているのです。
ご列席の皆様。
韓流は、東洋文化を基盤に西洋文化を巧みに融合させた韓国の若者文化のダイナミズムに支えられていますが、まだ強固に根付いてはいないと判断されます。
これまでの「韓流ブーム」は、韓国の大衆文化界の自助努力によるものでした。一部の芸能スターを中心に拡散している今の韓流は、より体系的な努力と支援なしでは、一時的なバブル現象に終わりかねないという懸念の声があるのも事実です。
このような韓流が持続的に成長・発展し、韓流を超え北東アジア流に、そして世界流へとつながっていくためには、政府レベルのより体系的かつ長期的な支援と対策が必要です。
このような施策の一環として、京畿道周辺に散在している大衆文化と観光クラスターを一つにまとめ、韓流のハブの役割を果たせるよう、高陽(コヤン)市、一山(イルサン)新都市一帯に30万坪規模の「韓流ウッド(Hollu WooD)」造成する考えです。
この韓流ウッドは、地理的に二つの国際空港に隣接しており、今年4月にオープンする東洋最大規模の国際展示場や近く造成されるチャイナタウンに近く位置しており、テレビ放送局ー坡州出版団地ーヘイリ芸術街ーLG-Phillips LCD団地ーDMZへとつながる首都圏北部の文化・観光・産業クラスターの中心地域に位置しています。
韓流ウッドには、韓流スターの街のスタービレッジ・韓流ゲームワールド・各種の芸能公演場など韓流を直接体験できる施設、芸能プロダクションベンチャータワー・ドラマ撮影場・韓流アカデミーなど文化コンテンツを開発する機能、そして、ホテル・テーマパーク・レストラン街などの文化アミューズメント施設が調和をなしつつ一つの完璧なプログラムとして運営される文化的空間になるでしょう。
韓国の大衆文化人が世界各国の大衆文化関係者とともに存分に才能を発揮し、未来のスターが生まれ育つ場、そして新しい文化を体験しようとする世界人の祭典の場にして行く考えです。
韓流ウッドには、中国や日本はもちろん、東南アジアの文化も誘致し、東アジア文化街を造成する計画です。これにより、各国の大衆文化が相互交流し、融合し、最終的にはハリウッド(Hollywood)で代表される西洋文化と互角に競争できる東アジア文化を創出できるようにして参ります。
私も、若いころ、演劇に心酔し、演劇俳優になったことがあります。大衆文化を愛する一人として、ここ韓流ウッドで、ダイナミックな韓国の新世代大衆文化と世界最強のIT技術が融合し、世界的な競争力を備えた新しい概念の東アジア文化が生まれることを期待します。
今後、韓流ウッドの迅速な開発とクリエイティブな運営のために、京畿道では、道路、上・下水道など物理的インフラを構築し、各種施設の造成と運営は民間業者で構成されるコンソーシアムに委託する考えであり、具体的な事業計画を樹立し、今年の上半期までに事業推進の主体を選定する計画です。
韓流ウッドは、昨年から京畿道が推進している高陽観光文化団地の開発テーマを新しい概念に変えて推進するもので、2008年まで計2兆ウォンの事業費が投入される計画であり、2008年の北京オリンピックと同時に、ここ韓流ウッドでは、東アジアの文化オリンピックが開かれるものと期待しております。
■最後に
尊敬する外信記者クラブの会員の皆様。
大韓民國は、半世紀前の戦争の廃虚から立ち上がり、今では東アジアの産業大国、世界的なIT大国に生まれ変わりました。そして、21世紀、新しい国家発展パラダイムである文化大国へと発展していかなければなりません。京畿道は、その牽引役を果たしてまいります。外信記者の皆様の韓国と京畿道に対する変わらぬご関心とご声援のほどお願い申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。
2005年2月1日
京畿道知事 孫鶴圭(ソン・ハクキュ)
(2005年2月1日、外信記者クラブ会見)
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